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本作は1969年5月13日、東京・東京大学駒場キャンパスの900番教室で行われた、
10代の頃から三島文学に触れてきた東出。本人に対するイメージを「奇妙な作家、同時に過激さを持ち合わせている印象でした。でも彼の文章の華やかさや緻密さに惹かれ、読むに従って先入観とは違う人物だと理解していきました」と口にした。この討論会の書籍も読んでいたというが「“知の頂上決戦”と言われるだけあって共通言語が高い次元にあり、意味を理解しきれない部分がありました」と明かし、「でも映像化したことで、解説も細かく入ってわかりやすくなっていて理解が深まりました。三島作品や学生運動になじみがない人がご覧になっても楽しめるものになっています」と本作ならではの魅力に言及した。
東京大学出身の豊島は、この討論会の舞台となった駒場キャンパスの900番教室で授業を受けたこともあったという。自身が監督としてオファーされたことについて「当時の状況をよく知っている人より、当時を知らない世代の視点で振り返ったらどう見えるのか。そのように作品の方向性が決まって声がかかりました」と説明。また東出のナレーションを「対象への距離感が柔らかくて。もっと黙々とやるかと思っていたけど、東出くんの演出が効いていてびっくりしました。映画が生まれ変わった。頼んでよかったです」と絶賛した。
三島への愛をあふれさせる東出は、一番好きな三島作品を尋ねられると沈黙する。「全部好きなので……」と迷いつつ熟考した末、“堅苦しいイメージを持っている人”へ向けて「音楽」と「美しい星」を推薦。さらに三島作品の魅力を聞かれた東出は、先ほどより長く黙り込み「『潮騒』と『金閣寺』を比べても全然違うから一言で言えない。でも絢爛豪華な文章というのはやはり素晴らしい」と熱く語った。
最後に豊島は「目の前で互いに名乗り合い、相手の呼吸を感じられる場で言葉を交わし合っている。それがこの映画の事実であり魅力であります。対峙することから生まれるものがあるとわかるはず。自戒を込めてですが、今のお客さんに観てもらいたい」と本作の意義を伝える。東出もうなずき「激論を交わした人たちの熱量を持って帰れる作品になっています。僕もしびれました。若い世代の方にぜひ観ていただきたいです」と呼びかけた。
「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」は、3月20日より全国ロードショー。
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