近未来スリラー「
ゾンビウイルスによるパンデミックが収束したのちのアイルランドで、画期的な治療法によって回復した元感染者たちが苦悩する姿を描く本作。彼らは社会復帰することになるも、ゾンビだった頃の忌まわしい記憶は消えず、耐えがたいPTSDに苛まれていた。その一方、彼らを恐れる市民の抗議は激化し、回復者たちは差別に不満を抱くようになる。ゾンビに夫を殺され幼い息子を1人で養うアビーを
映像には「回復者に権利を与えろ!」という声が上がる様子や、セナンが何者かに襲われるシーンが収録されている。また監督・脚本を担当し、本作で長編デビューを飾ったアイルランドの新鋭
デヴィッド・フレイン コメント
映画製作者としての私の情熱は、常に気の利いたジャンル映画を作ることにあった。ゾンビものに病的なくらい魅せられていた。現代の社会問題を見事に反映することのできるジャンルだからだ。そんなゾンビ感染に治療法があったらと考え始めたら、止まらなくなった。治るという状況は、元ゾンビにとってどんなものになるだろう?
治癒しても感染していた頃の行いの記憶に悩まされるという概念は、恐ろしく、とりわけ悲痛なものだった。その思いは私の心の中で渦巻き続けた。家族は元ゾンビを受け入れるだろうか? 本当にまた人間になれるのか? 登場人物を造形し、それを基盤にして「
私はヨーロッパ中に救済措置と抗議が広がっていた頃、この脚本を書き始めた。当時も存在し、今でも残る激しい怒りの空気が私の執筆を焚きつけた。あれは自分には手に負えないことによって苦しめられ、責任を取らされるということにほかならず、それは本作の元ゾンビたちとまったく同じだった。彼らの行動に対する責任と罪はどこにあるのか。そして、記憶に取り憑かれている本人にとって、そんなことは本当に重要なのだろうか?
また、私はメディアや政治家が自らの目的のため、いかに人々の恐怖心を煽るかにも興味を抱いた。その恐怖の対象が移民、宗教、ジカ熱など、いずれであっても。そうした行為は怒りと分裂の雰囲気を作り出し、どんな病気よりもはるかに有害だ。このように恐怖を誇張する行為が「CURED キュアード」の世界の基礎を築いている。
要するに「CURED キュアード」は恐怖についての話だ。感染した者の恐怖や感染する恐怖だけではない。自分の中にある恐怖、すなわちそれは恐怖に苛まれる中での自分たちの無力さによる恐怖なのだ。
花沢健吾 @hanamanko
これも気になるぞ。
回復者に権利を!元ゾンビたちの苦悩映す近未来スリラー「CURED」予告解禁(コメントあり) https://t.co/OFg9BWE85e