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太宰治の未完の遺作をもとにケラリーノ・サンドロヴィッチが手がけた戯曲「グッドバイ」を原作とした本作。何人もの愛人を持つ文芸雑誌の編集長・田島周二が彼女たちと別れるため、金にがめつい永井キヌ子に女房役を演じてほしいと頼むことから物語が展開していく。MCから挨拶を促された田島役の大泉は「時間が限られているので『挨拶は手短に』とスタッフからきつく言われているんです(笑)。今日はありがとうございます!」とうれしそうに満員の会場を見回す。
キヌ子役の小池が「映画のプロモーションのために大泉さんとたくさんバラエティに出させてもらったんです。楽しかったけど、2人ともおしゃべりがすぎて映画の印象が残らないんじゃないかな?って。マイナス効果になってないかと心配してます」と苦笑しつつ明かすと、大泉は「それ僕が5、6年ずっと悩んでいることですよ。毎日、大泉洋を観てるからおなかいっぱいになっちゃう! だから、ここにいるのはそれでも観に来てくれてる“勇者ども”なんです!」と力強く声を上げ、会場に笑いを起こす。そして大泉が「僕も苦渋の選択なんですよ。宣伝部が出てくれって言うからバラエティに出るんです。出演するなら僕は面白くしたいの! そこも全力だから。そうするとみんな映画の存在は知ってるけど……」と悩みを吐露し始めると小池は「ちょっと! 時間泥棒しないでよ。キャストのみんながいるんだから(笑)」とツッコミを入れていた。
演出について尋ねられた成島は「小池さんの役はカラス声という設定なんです。原作に書いてあるんですけど、最初はそれってなんだ?と思った。でも一度カラス声をやめてみようと提案したら全然面白くなかったんです」と思い返す。それを受けた小池は「それ傷付きますよ!」と抗議し、「ある場面でいきなり、『はい! カラスから白鳥になって!』と監督に言われて。軽いパニックになりましたね」と裏話を披露した。
イベント中盤には本作のストーリーにちなみ、キャストが“今までについた嘘”を明かす場面も。水川は「私、極度の方向音痴なんですよ。でも自信満々にみんなを誘導しちゃう」とはにかむ。橋本は「小さい頃、妹のお菓子を食べちゃって。でもお父さんのせいにしたんです。大人になって白状したら妹に『10年間お父さんのこと恨んでたのに!』って言われました」と振り返った。緒川は「子供の頃、雨が降っている日に知らない子が雨宿りしてたんです。でもその子のランドセルには折りたたみ傘がぶら下がっていて。それを言ってあげる勇気がなくて、私の傘に入れてあげて歩いていたら、その子が途中で折りたたみ傘に気付いちゃって。すごく気まずかったんです。雨が降ると思い出しちゃう……」とこぼす。小池が「それは優しい!」と声を掛けると緒川は「じゃあいい思い出にしよう!」と声を弾ませた。
「水泳のコーチのオファーが来たとき、泳げないのに泳げますって言っちゃいました」と白状したのは木村。「そのあと、70代80代のおばあちゃまたちと“ぶくぶくぱー”から一緒に練習しました。でも泳ぐシーンがなかったんです」と述べる。大泉は「僕も『カーリングできる?』と聞かれたから『選手です!』って答えて役もらいましたよ(笑)。TEAM NACSに『俺らカーリングできるよなー?』って聞いたらみんな『おー!』って。役もらったの僕だけでしたけど」と笑う。濱田は「アメリカで入国審査するときに、俳優だって言ったら疑われちゃって。『高倉健と知り合いか?』って聞かれたので『Yes!』って答えました。ご挨拶したこともないのに」と打ち明け、松重は「若い頃は1m90cm身長があったんですけど、高すぎて役をもらえなかったので1m88cmとプロフィールに書いてました。でも衣装が小さくて。ヤクザを演じるときにツンツルテンじゃ格好が付かないんで、自前で用意してましたね。血まみれのスーツを洗ってました」と言い、大泉を爆笑させた。
最後に小池は「こういうときは『映画を広めてください』って言うんでしょうけど、皆さんとこの時間を共有できただけで満足です!」とほほえむ。大泉は「小池さんはこういう人ですけど僕は違いますよ。死ぬ気で宣伝してくれ! ノルマは10人。よろしくお願いします」と観客に呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」は全国で公開中。
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矢口晶一 @tamagawajyousui
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