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綾野演じる会社員の今野が、突然失踪した元同僚・日浅の足跡をたどりながら彼の裏の顔を知っていくさまを描く本作。東日本大震災前と後の岩手が舞台となっており、大友は「自分の故郷である盛岡で大切に撮った作品。愛する人を突然失った方々が、どんな思いでいるのか。その思いを忘れてはいけないと思って作りました。震災に限らず、どんな人にも当てはまる話なので深く受け止めていただけたら」と観客に伝える。
綾野は数々のインタビューで、本作について「文学の映像化に成功したまれな作品」と語ってきたという。その理由を「情報過多な現代で、限りなく情報を削いでいく作品だと思いました。顔のアップが非常に多く、僕のお尻のアップもあるんですけど(笑)、我々の顔を映すことで情報が減っていく。だからこそ、その先を見なければいけない。そこに文学を感じました」と語った。また今野の旧友・副島和哉役の中村倫也について「ムチャクチャかわいかった。とにかく美しくて見とれていたら、彼の役に嫌な思いをさせてしまった気がして。終わったあと『倫也、ごめん』と言ったら、『最高でした! ありがとうございます!』ってかわいい笑顔で……」と本作での共演を振り返る。
今野と日浅が釣りを通して仲を深めることから、松田は撮影中の印象深いエピソードも「釣り」と答えた。また「はしゃぎすぎて熱中症になった」と告白。「自然をなめちゃいけないなと。綾野くんは日傘に入っていたのに、俺は走り回って『へっちゃらだい!』って。日焼けしたかったのに(熱中症で)真っ白になっちゃって。勉強になった。自然はちゃんと準備して楽しまなければならない」と淡々と教訓を語ったのち、「なんの話だっけ?」と脱線に気付く。綾野からは「わんぱくだったよね!」と現場での様子が明かされた。
2人の同僚・西山役の筒井は、盛岡さんさ踊りのシーンに言及。「かなり練習して行ったら、綾野さんと松田さんがあまりにもヘナチョコで(笑)。それが思い出深いです」と暴露され、綾野と松田は「僕たちそろって踊りが下手で」「急に踊ることになったから」と口々に弁解した。
舞台挨拶では、本作のタイトルにちなみ、“影の願望”として「人に知られずなってみたかった職業」に関するトークも。松田が「スポーツ選手に憧れます」と答えると、綾野も「絶対叶わないことを前提で言うなら、箱根駅伝を走ってみたかった」と話す。元陸上部で駅伝マニアとして知られる綾野は「一応コースは走ったことあるんですけど。あのプレッシャーの中で走り切れるかわからない」と選手への尊敬をあらわに。さらに「ボクシングもやってみたい」と続けると、松田は「俺も」と同調し、2人で「戦ってみる?」と見つめ合う。すかさず大友が「いただきます、それ!」と宣言し、“次回作”への観客の期待をあおった。
「影裏」は全国で上映中。
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