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本作は周囲にゲイだと知られることを恐れ、東京から1人田舎にやって来た井川迅を主人公に据えた物語。元恋人・日比野渚が6歳の娘・空を連れて現れたことから話が展開していく。宮沢が迅、藤原が渚を演じ、外村が空、松本が空の母親・玲奈に扮した。まずマイクを握った宮沢は「映画初主演のプレッシャーもありましたし、LGBTQというセンシティブな題材に向き合うことにもなりました」と話し始める。「ただ、もともとこういう題材の作品に出てみたかったんです。僕は幼稚園から高校まで男子校に通っていて、周りに同性愛者の友達がいたので、みんなが少しでも生きやすい空気になればと。オファーをいただいた喜びのほうが、プレッシャーより大きかった」と述べた。
父親役に挑んだ藤原は、外村に「本当にありがとうね。いろいろ助けていただきました」と感謝を口にする。続けてプラバンを使った手作りキーホルダーを外村からプレゼントされたエピソードを披露して、会場を和ませた。一方、外村は藤原や宮沢との現場について、「ごはんを食べたあとにこたつでみんな一緒に寝ました。外がすごく寒かったので幸せでした」と笑顔で振り返る。松本が藤原と外村の関係を「兄妹みたいでした」と表現するも、藤原は「空を泣かせちゃったときは、急いでカメラを探して泣いてるところの写真を撮ったり……」と話し、宮沢から「はたから見たら『何やってるんだよ』って思われるよ」と優しくツッコミを受けていた。当の外村が「でも仲良くしてくださったので、楽しい思い出しかありません」と言い、藤原に「いい子!」と頭をなでられるシーンも。
「皆さんはハプニングが起こっても自然に演技を続けられていました」と撮影時を回想したのは今泉。「僕の頭にあるものをそのまま作りたいというより、みんなのアイデアを聞いたり、現場でそのときに起こったことを撮りたいんです」と制作への姿勢を明かした。
また、撮影初日が迅との対面シーンだったいう松本は「玲奈にとって迅は、直接見たくはないけど視界には入ってくるし気になってしまう存在」と述懐。さらに「氷魚くんは透き通るようなすごく白い肌。その日は寒くて、彼の指先が真っ赤になっているのが見えたんですが、それが嫉妬してしまうくらい魅力的に思えたんです。私は全然普通の肌色なのに」と語る。役の像にぴったりだったという宮沢の姿が「嫌だった(笑)。それぐらい素晴らしかったんです」と妻役の立場から正直な心境を吐露。それを聞いた今泉は「お芝居じゃない部分も感じ取ってくれたんですね」と感心していた。
アサダアツシが脚本を担当した「his」は東京・新宿武蔵野館ほか全国で上映中。
映画ナタリー @eiga_natalie
「his」撮影で宮沢氷魚の指先に松本若菜が嫉妬、藤原季節は子役の頭なでる(写真15枚)
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