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自殺催眠をかけられた高校生たちのデスゲーム「シグナル100」、実在する心霊スポットを題材にしたジャパニーズホラー「犬鳴村」、アンダーグラウンドの世界を舞台にしたラブストーリー「初恋」。東映が贈るジャンル映画3本の公開にあわせ、この日は各作品のプロデューサーをはじめ、フィンガーイリュージョングループのXTRAP、怪談家のありがとうぁみ、AV男優の
3部構成のイベントでは、まず「シグナル100」を手がけた電通の石黒研三と東映の橋本恵一、「犬鳴村」「初恋」を手がけた東映の紀伊宗之によるプロデューサー同士のトークが展開。石黒からは「シグナル100」の企画が生まれた経緯が明かされた。原作マンガに魅了された監督の竹葉リサが企画を持ち込んだことを話し「ほとんど商業映画を手がけるのは初めてと言っていいし、こういったジャンルが得意なわけじゃない」と回想。その後、紀伊に相談したところ「こまいこと考えずにやったほうがいい」とアドバイスされ、プロジェクトが進行していった。石黒は「製作費は今日の3作品で一番少ない。でもキャストだけは普段こういう映画に出ない方を集めようとこだわった。そして原作を読んでいた橋本環奈さんに了承してもらって進んでいきました」と説明。「こんなに怒号が飛ぶ現場はなかなかなかった」と苦労の多い現場だったことに触れると、紀伊は「スペシャルサンクスで名前を入れたいのは誰?」と質問する。石黒と橋本は詳細は明かさずも、脚本を手がけた渡辺雄介の名前を挙げ「最後までねばり強くがんばってくれました」「神様です」と感謝を伝えた。
「孤狼の血」「麻雀放浪記2020」「小さな恋のうた」など、近年話題になる東映作品の多くに関わっている紀伊は、「犬鳴村」のシナリオハンティングで旧犬鳴トンネルを訪れたときのことを述懐。「本当にすごい嫌なところです。トンネルまで登っていくにつれ、どんどん温度が下がって携帯もつながらなくなる。本当に不気味」と明かしながら、そのとき柵で封鎖されている道の先にGoogleの衛星写真に民家が映っていることに気付いたという。「役場に聞きに行ったら『そんなところに戸籍はないし人も住んでない』と。衛星写真を見せたら気になった役場の人がゾロゾロと集まってきた。そのとき、これは映画になるなと思ったんです」と明かした。
続いて紀伊は、東映の実録路線を引き継ぐ「孤狼の血」を製作した2018年頃を振り返る。「すごく喜ばれたんです。公開の際に多くの方からエールをいただいた。そして東映が作るべきは、こういうものと思い出した。そして次にやるなら三池(崇史)さんと決めていました」と「初恋」の成り立ちを説明していく。三池に「オリジナルでやりましょう」と打診し、ごく短い期間で脚本家の中村雅を含めた3人で一緒に物語を形作ったという。
MCを務めたコトブキツカサは「初恋」というタイトルと内容のギャップを指摘。観客はタイトルで内容が即座に想像できると観る気がなくなると考えた紀伊は「誰ひとり欠けても、この恋は生まれなかった」という映画のコピーを紹介しつつ「最初にテーマに据えたのは、ろくでもないやつにも人間関係の中で意味はあるし、そこからでも小さな恋は生まれる。タイトルはいろいろ考えて、結果的にシンプルな『初恋』にしました」と明かす。さらにジャンルの切り口を設定する難しさにも触れ「僕はアクションコメディと言ってもいいと思っています。三池さんにとって『バイオレンスよ、さらば!!』や『初めて撮ったラブストーリー』というのも事実。すごく人間愛にあふれている映画ができたんじゃないかと思っています」と続けた。
第2部では「犬鳴村」とのコラボ動画を発表したXTRAPが“フィンガーダンス”と呼ばれるライブパフォーマンスを披露。イベントを締めくくる第3部では、ありがとうぁみによる犬鳴村に関する怪談や倉田の“初恋”話、しみけんによるモテるための秘訣など、それぞれの個性がぶつかり合う濃厚なトークが繰り広げられた。また「初恋」を鑑賞していたベビーヴァギーはヤクザの恋人ジュリを演じたベッキーの演技に注目し「個人的にはとにかくベッキーさんがすごすぎて……」と期待をあおり、イベントは幕を閉じた。
「シグナル100」は1月24日、「犬鳴村」は2月7日、「初恋」は2月28日より全国ロードショー。
映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】東映作品目白押し「シグナル100」「犬鳴村」「初恋」プロデューサー陣が集結
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