第32回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞新人賞の表彰式が本日12月28日、東京都内で開催され、石原裕次郎賞に輝いた「
三田紀房のマンガをもとにした「アルキメデスの大戦」は、大日本帝国海軍の司令部による世界最大級の戦艦・大和の建造計画に反対を唱える海軍少将・山本五十六が、天才数学者・櫂直(かいただし)を引き入れ、軍部の陰謀を暴こうとするさまを描く物語。菅田将暉が櫂、舘ひろしが山本をそれぞれ演じた。
ステージで表彰楯や花束を受け取った山崎は「『ALWAYS 三丁目の夕日』でもこの賞をいただき、またこの場所に戻って来られたことをうれしく思います」と喜びを語る。さらに本作について「戦艦大和の美しさと愚かさは日本を象徴しているような気がします。今も日本はいろいろな問題を抱えていて、あの時代を繰り返しかねないと思いました。それをなんとか映画という形から照射できないかと考えて作った作品です。問題提起でもあり、エンタメでもあるこの作品に賞をいただけたことがうれしいです。映画を作る人間としては、少しは闘っていかないと、と気持ちを新たにしました」と話した。
山本五十六役の役作りについて聞かれた舘は「心がけたのは、髪の毛を切ったということですね」ときっぱり答えて笑いを起こす。山崎の現場に関しては「悪魔の演出! ずっと長回しワンカットで撮るんです。私どもは慣れていませんから、本当につらい日々でした(笑)」と振り返った。
主演の菅田に関して、山崎は「数式を黒板に書きながら長ゼリフをしゃべるという、無茶なお願いをしたんです。それでも長回しで最初から最後までやってくれて、終わったときは舘さんをはじめとする先輩方から拍手喝采が起きました」と評価する。その現場を回想し、舘も「菅田くんを尊敬しました」とうなずいた。
石原まき子は「舘ひろしくんがあのように軍服が似合うとは思わなかった」と笑いつつ、「(表彰式で)石原プロ(所属俳優)の登壇は少なくて……。もうちょっと皆さんと、この壇上でお会いしたいと思います。素晴らしい監督と素晴らしい映画をたくさん撮ってもらいたい」と所属俳優に発破をかける。それを受け舘は「ここに登壇するには、うちの連中全員がもう少し精進したほうがいいと思います(笑)」と後輩たちに言葉をかけた。
また表彰式には、前年度「カメラを止めるな!」が同賞に輝いた
「アルキメデスの大戦」は東京・下高井戸シネマで上映中。
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