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本作は、寅さんこと車寅次郎を主人公とした「男はつらいよ」シリーズ第50弾にして23年ぶりの新作。大きな拍手によって迎えられた山田は、今までのシリーズに関わったスタッフやキャストを代表し「いなくなっちゃった人もたくさんいますけれども、全員で作り上げた作品を今日ここで観ていただきます」と挨拶する。そして寅次郎を演じた
1作目から寅次郎の妹・さくら役で出演している倍賞。「お兄ちゃんがいたらどうだったかなって。でも『おう! 山田さんよくがんばったな、さくらもよくがんばったじゃないか!』ってどこかで見ててくれるんじゃないかと思って撮影していました。だからお兄ちゃんもきっと喜んでいると思います」と時折涙で言葉を詰まらせながら話すと、隣に座っていたさくらの息子・満男役の吉岡は「大丈夫ですよ」と倍賞に寄り添う。そして倍賞が「この映画に出演できて、生きててよかったなと思います。ねえあなた?」と、さくらの夫・博役の前田に笑いかけると前田も「生きててよかった」としみじみ返答した。
マドンナのリリーを演じてきた浅丘が「山田さんからリリーさんっていう役をいただいて、どんなにうれしかったか。この50作目で6本出ることになります。今まで何百本とやった中でも一番やりやすい役です」と述べると、山田は「光栄です」と破顔し、2人は肩を寄せてほほえみ合う。吉岡は「僕はあれから風に向かってずいぶんと伯父さんの名前を呼んだんですけど、一向に現れてくれないじゃないかと。でも『ずっとそばにいたんだよ。だからこそ50作目ができたんだろう?』と言ってくれるような気がします」と述懐。後藤も「泉がきちんと人生を歩んでいられるのは、寅さんの優しさに出会うことができたから。おじちゃまありがとう」と感謝の気持ちを口にした。
この日の舞台挨拶には、キャストの
本作から参加した池脇と桜田は「みんなの心の中に寅さんはずっと生きていて、背中を押してもらったりしているんだなって。会いたかったです」「実はオーディションでは作品が『男はつらいよ』だと知らなかったんです。でも今思うとそのときから寅さんが見守ってくれていたんだと思います」とコメント。これまでさまざまな役で出演し、本作では帝釈天題経寺の住職・御前様を演じた笹野は「渥美さん、笑わないでくださいね? 『お前が御前様か。カッカッカッ』って言われるようで恥ずかしい。寅さん一家として“ウィーアーファミリー”だと呼んでいただけるのが非常に光栄です!」と名調子で話して笑いを誘う。最後に山田は「俳優の皆さんの話が大変上手だから、映画も面白いんじゃないかと期待なさったんじゃないかと思います。その期待に応えられる映画になっていることを、僕は心から願っています。最後に拍手の1つもしてくださるような映画であればうれしいです」と客席に語りかけ、舞台挨拶の幕を引いた。
「男はつらいよ お帰り 寅さん」は明日12月27日より全国でロードショー。
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