「ロングデイズ・ジャーニー」監督と深田晃司、共通点は「カップルで観ると別れる」

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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」の特別先行上映会が、本日12月19日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開催され、来日中である監督のビー・ガンとゲストの深田晃司が登壇した。

左からビー・ガン、深田晃司。

左からビー・ガン、深田晃司。

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「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」ポスタービジュアル

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父の死をきっかけに故郷・凱里(かいり)へ里帰りしたルオ・ホンウを主人公とする本作。有名女優と同じ名前の女を追いかけるルオの、現実と記憶と夢が交錯する旅を描く。映画の中盤では、約60分の3Dワンカットが展開。IndieWireが発表した、世界中の批評家304名が選ぶ2019年のベスト映画では18位にランクインしている。

ビー・ガン

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まずは今回初来日を果たしたビー・ガンがステージへ。数日前に到着してからは取材の仕事が続いていると言うビー・ガンだが「2日後には仕事が終わるので、ゆっくり周りたいと思います。第一印象としては、東京はとても秩序がある場所だなと思いました」と述べる。同じく彼の出身地・凱里を舞台とした前作「凱里ブルース」も4月に東京のシアター・イメージフォーラムで上映されることから、ビー・ガンは「ぜひ皆様、そちらもよろしくお願いいたします」とコメントした。

3D眼鏡をかけて登場した深田晃司。

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「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」

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この舞台挨拶には、「淵に立つ」「よこがお」の監督として知られ、ビー・ガンが「来日したら会いたい監督」の1人として名前を挙げていた深田が招かれた。3D眼鏡をかけて登場した深田は「先走って、3D眼鏡かけて来ちゃいました(笑)」とジョークで挨拶。「凱里ブルース」も鑑賞している深田は、この「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」について「本当に驚くべき作品です。物語の面白さはもちろん、ビー・ガン監督の映像的な挑戦には、同じ映画監督の端くれとして刺激を受けましたし、悔しさもありました」と感想を語る。さらに両作を比較し「一貫した作家性を強く感じて、双子のような作品だと思う。『凱里ブルース』がある種男性的だとしたら、『ロングデイズ・ジャーニー』は女性的。性別は違うけど、“顔”はそっくりなんです」と説明した。

「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」

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本作が中国で上映された際には、大みそかから元旦にかけてカップルで一緒に鑑賞し“上映後にキスをしよう”というキャンペーンが話題を集めた。しかしビー・ガンは「多くの人に観てもらったとともに、大きな論争も起こりました(笑)。多くの人がロマンチックな映画が観られると思っていたんです。もちろん僕も十分にロマンチックな作品をお届けしたつもりだったんですが、みんなは僕の“ロマンチック”を感じられなかったようです。人と人は、こうしてすれ違っていくのですね」と淡々と告白して笑いを起こす。それを聞いた深田は「デートムービーだと思ったら、ものすごく複雑な迷路に入れられた感覚だったでしょうね」とうなずいた。

「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」

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さらにビー・ガンは「この映画を観たたくさんのカップルが、別れたと聞きました。この場を借りてお詫びします(笑)」と続ける。すると深田も「それは僕の映画と似ていますね(笑)。友人に『お前の映画を(恋人と)観ると別れる』ってクレームを受けたことがあります」と思わぬところで賛同。2人は「それは本当に愛し合っていなかったせいかも」「僕の映画を観て別れるくらいなら、早めに別れられてよかったと思います」とブラックジョークで笑い合った。

左からビー・ガン、深田晃司。

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またトークの中では、ビー・ガンが深田の監督作「淵に立つ」について語る場面も。「シンプルなアプローチながら、とても深いものをすくい上げていると思います。僕が同じようなディープな境地に達しようとするなら、万華鏡のようにさまざまなアプローチを経ないとできません」と尊敬を込めて話した。

「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」は、2月28日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国で順次ロードショー。

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(c)2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD - Wild Bunch / ReallyLikeFilms

読者の反応

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遠海安 @AnneTohmi

畢贛(ビー・ガン)監督の「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(原題:地球最后的夜晩)」は2020年2月28日(金)公開。監督の出身地・凱里を舞台とした前作「凱里ブルース」(15)も4月公開。年明けからビー・ガン祭ですね。#中国 https://t.co/ObYMVC9GPz

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