「テッド・バンディ」監督が立教大学でトーク、神父を例に善悪のすみ分け語る

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テッド・バンディ」の監督であるジョー・バーリンジャーが本日12月5日、東京・立教大学でトークセッションを行った。

ジョー・バーリンジャー

ジョー・バーリンジャー

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「テッド・バンディ」ポスタービジュアル

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「テッド・バンディ」では、シリアルキラーの語源となった実在の殺人犯テッド・バンディの知られざる姿が描かれる。ザック・エフロンがバンディを演じた。

「テッド・バンディ」トークセッションの様子。

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約150名の学生が参加した本日のトークイベント。代表して立教大学の社会学部生3名が登壇し、バーリンジャーに質問を投げかけていった。アメリカでのバンディのイメージを問われたバーリンジャーは「多くの人が彼に魅了されていた。たくさんの友達や彼女がいるような人間性で、見た目もよかったから。そんな人が連続殺人犯だとは思いたくないものだよね」と当時の状況を解説する。「この事件から学べるのは、恐ろしいことを行う人物は遠い存在ではないということ。そういうことをやらなそうだったり、信頼していた人が実は殺人犯の可能性もあるし、イケメンでチャーミングだからといって簡単に信用してはいけない。厳しい学びではあるけど、それがリアルなんだ」と考えを伝えた。

劇中にはバンディが涙を流すシーンが登場する。涙の理由を聞かれたバーリンジャーは「自分が失おうとしているものに対して泣いたのだと思う。ただ、サイコパスや連続殺人犯には他人を思いやる気持ちがないと言う人もいるが、その考え方はシンプルすぎるのではないかと」と回答。その意味を「人間は誰しも心の中ですみ分けができるもの。例えば、教会の神父がペドフィリアで子供たちに手を出す事件があるが、彼らには自分を善人だと思っている部分もあると感じる。教会で祈りを捧げる面もある一方で、子供たちを餌食にする悪の面がある。バンディもそういったすみ分けをしていたのだと思う」と説明する。

日本では12月20日より劇場公開されるが、海外ではNetflixで配信されている「テッド・バンディ」。バーリンジャーは映画制作を始めた25年前を思い返しながら「作ったドキュメンタリーを売れる先がほとんどなかった。でもストリーミングの革命が起きたことで、国際的に視聴者を意識できる。配信開始から28日間で7000万人が視聴したと聞いているよ。それはフィルムメイカーにとって大変な魅力」と配信に関する持論を明かす。一方でデメリットもあると述べ、「劇場の人たちと1つのコミュニティとして映画を楽しむ体験はあきらめなければいけなかった。私が映画作家になったのは、そういった体験が原点でもあるしね。でも今は違った方法でコミュニティ作りが進んでいるとも思うよ」と語った。

「テッド・バンディ」は東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国でロードショー。

※「テッド・バンディ」はR15+指定作品

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