コスタの初期作「
黒沢は「溶岩の家」の色彩の魅力にも言及。「コスタ監督の映画とは思えないくらい明るい。太陽が降り注いでいて、カメラも奔放に動く。ドラマチックなロングショットもありますよね」と話すと、コスタは「火山の中にある村が舞台となっていますが、溶岩の塊など、自然そのものが持っている色がとても印象的だったんです。これだけ色鮮やかなら、白黒にしたりせず現実に従ったほうがいいと考えました」と意図を説明する。また本作を「自分が何に向いているのか、何が好きなのかを理解するために必要だった」と位置付け、「冒険映画を撮るような映画監督ではないことを自覚できました(笑)。好みは台所や廊下、寝室ということもね」と顔をほころばせた。
1年掛けて制作したという「ヴィタリナ」。黒沢が「同業者として気になるのですが、1年を掛けて映画を作るというのはどんな日々なんでしょうか?」と質問すると、コスタは「毎日制作しているわけではなく、ほかのことと並行して進めています。数カ月掛けることで、その映画が何になるかをやっと理解でき、全体像としての脚本が見えてきます」と回答した。さらにコスタは「ヴィタリナ」にプロの俳優が参加しておらず、出演者が演技の素人であることに触れながら「撮影にはリスクがあります。プロの俳優ではないから突然いなくなることもあり得る。(撮影に)来てくれるだろうかという不安はありますが、一方で深い信頼関係があるからこそ映画を作れています」と裏側を語る。
続いてMCが「溶岩の家」のイネシュ・デ・メデイロシュと、黒沢の監督作「
「ヴィタリナ」は2020年夏に東京・ユーロスペースで公開。黒沢が監督を務め、蒼井優が主演するドラマ「スパイの妻」は2020年春にNHK BS8Kで放送される。
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