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本作は半身不随の中年男性リョン・チョンウィンと、夢をあきらめ家政婦として働くフィリピン人女性エヴリンの関係を描く人間ドラマ。ウォンがチョンウィンを演じ、新人のクリセル・コンサンジがエヴリンに扮した。
映画のプロモーションでは約10年ぶりの来日となるウォン。「でも、日本茶のコマーシャル撮影のため京都や静岡に来ていたんですよ。どのお茶かは教えません(笑)。教えると皆が買って、値段が高くなってしまうので!」とさっそくジョークを飛ばし、観客の笑いを誘う。
ウォンは監督を務めた
ノーギャランティで本作の主演を引き受けたウォン。その理由を尋ねられると「この映画は低予算で、香港政府から助成金を受けています。じゃあ僕のギャラは?と思って、少なく払ってもらうのも嫌だし、自分のギャラもバレてしまうので『いっそのことノーギャラでいいですよ』ということになりました」といたずらっぽくはにかむ。さらに「この映画が成功したら分け前をもらえることになってるんですが……正直、まだもらってないんですよ」と言って会場に爆笑を起こした。
イベント中盤には役作りの難しさについて質問される場面も。ウォンは「ずっと座ってるんですよ。楽じゃない?」と冗談を飛ばしつつ、「僕自身は足が不自由ではないので、思わず体が動いてしまうのが難しかったです」と述べる。「車椅子を軽く押すだけでまるでフェラーリのようなスピードが出てしまうので(笑)、つい足を出して止めようとしてしまうんです」と演じるうえでの苦労を打ち明けた。また共演したコンサンジに話が及ぶと「彼女の実家はフィリピンでもお金持ちの大家族なんです。彼女自身も金持ちです! それなのに家政婦を演じきった」と紹介し、「彼女の演技は僕より素晴らしい」と笑顔でたたえる。
またウォンは香港の未来についても語る。「若者の勇気には敬服してます。香港人として誇りに思っています」と思いを口にし、「香港と日本はお互いの文化が好きで、交流も盛んです。これからも未来のためにがんばりましょう」とコメント。
最後にウォンは「ハンカチ、ティッシュペーパーを用意してます? この映画には必要ですよ」とこれから映画を観る観客にアピールし、イベントの幕を引いた。
フルーツ・チャンが製作を担当した「淪落の人」は、2月1日より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。
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『すべて、至るところにある』リムカーワイ @cinemadrifter
大尊敬で大好きなアンソニー・ウォンさん!
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