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父の通夜に母が出した目玉焼きから始まる“通夜ぶるまい”を通して家族の姿を描いた本作。主人公・東麟太郎を演じた染谷は「5年前にこのお話をいただき、熟して、一番おいしい形で皆様にお届けできたと思います」と思いを口にした。劇中では回想シーンが随所に挟まれる。子供時代のシーンに対し、染谷は「最高でした。あの空気感が本当に好き。自分がやりたかったなっていうくらい。大人になってからは悩んでばかりの役だったので」とうらやんだ。
姉・美也子を演じた戸田も「本当にうらやましかった。私は(父役の)永瀬さんとご一緒できませんでしたし」と同意。自身の少女時代を演じた森を「七菜ちゃん、なんてきれいなのと思いました。キラキラしていました!」とたたえると、森は恐縮しつつ「楽しかったです」と返す。そして「大人になってからのパートを観たとき、キラキラした時間がより切なく感じて。そういう目線で観られたのも素敵な体験でした」と感想を伝えた。兄・シュン役の窪塚の青年時代に扮した楽駆は、撮影前に窪塚と顔を合わせた際のことを回想。「僕はこの人になるんだと思うと感慨深かった。大人時代のパートは、本当に圧巻で。鳥肌と涙が同時に出てきました」と尊敬の念をあらわにする。
父・日登志役の永瀬は、撮影時の印象的なエピソードとして楽駆との登山シーンを挙げる。「ゆるやかなハイキングコースを歩くと思っていた」という永瀬。「リハーサルで行った山が断崖絶壁で。でも楽駆くんはスススッと登って行ったんですよ。運動神経抜群でした」と、想像よりハードな登山だったと述懐する。常盤は「役者の方々は自分の人生の一部を使って演じてくださり、僕も自分の記憶をほじくり返して脚本を書きました。素直に感動しましたし、うれしかったです」と俳優陣に感謝を伝えた。
舞台挨拶では、タイトルにちなみ“最後の晩餐”に食べたいものを登壇者が答えるコーナーも。染谷は「家族とすし」と書いたフリップを見せ、「それ以上も以下もないです。子供の頃も、母親とスーパーに行くとお惣菜コーナーで寿司を買ってもらって、おやつとして食べていたくらい寿司好きです」と声を弾ませる。戸田は「『家族とおなべ』。映画でもすき焼きを食べるシーンが出てきますが、1つのものをみんな一緒に食べるのは素敵です」と回答。桃のイラストを描いた斉藤は「私は1人で食べたい」と静かに切り出して、「お味噌汁みたいな料理だとあまりにも温かいし……桃とかさっぱりしたものを食べて、スッと1人で逝きたいです」と述べて周囲を驚かせた。
最後は染谷が「家族を描いた映画はほかにもありますが、ここまで正直な映画はほかにないと自分では思っています。確実にパズルがそろっていき、最終的にどんな光景が見えるかはお客様次第だと思っています」と観客に語りかけ、舞台挨拶を締めた。
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