第32回東京国際映画祭内のアジア映画特集シリーズ「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」に出品された「フォークロア」シリーズのQ&Aイベントが本日10月30日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、「フォークロア:TATAMI」で主演を務めた
エリック・クーが製作総指揮を担当した「フォークロア・シリーズ」は、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、シンガポール、タイの6カ国を舞台に描かれるホラーアンソロジー。Q&Aでは、観客から「今回出品された作品を撮るにあたって、どこから着想を得たのか?」という質問が飛んだ。
「フォークロア:TATAMI」は、父の葬儀に参列するため帰省した男が実家で秘密の扉を見つけ、家族の秘められた過去に触れていく物語。齊藤は「家族のレシピ」にキャストとして参加した際、エリック・クーから「フォークロア」シリーズへの参加を依頼されたと述べ「二つ返事でOKしました」と語る。そして「スポーツのアジア予選のような構成に興味を覚えたんです。でしたらメイドインジャパンを伝承しようと思い、畳をテーマにしました。畳って英語で表現できないので、TATAMIという言葉しかないんです。そこが強いと思ったことと、劇中でも藁人形が出てくるんですが、昔は畳も中身が藁だったそうなんです。畳一畳分に宿る念のようなものを大事にしたいと思っていました」と続けた。
北村は同作における役作りについて問われると「今回は主人公目線の画が多く、彼の目を通して作品を観ていただける作りになっているので、なるべくリアクションは最小限にして客観視できるように心がけていました」と述懐。撮影現場の感想を聞かれると、間髪入れずに「怖かったですね」とジョークを飛ばし、齊藤を驚かせる。北村は笑いながら「俳優にとって一番重要なのは脚本を読み込んだり、どう見せるか考えたりと準備に時間を取ること。そこを理解していただいて時間を取ってくださったのがうれしかったですね。撮影自体は彼の性格のようにおだやかにさわやかに進んでいきました。スムーズに進みすぎて、たまに怒ってほしいなと思うこともありました」と述べた。
「フォークロア:母の愛」では、生活苦のため家を追い出されてしまった母子が恐ろしい出来事に見舞われるさまが描かれる。ジョコ・アンワルは本作の着想について「インドネシアに伝わるおばけをモチーフにしました。大きな胸を持つ女性のおばけで、親に愛されない子供を誘拐して、自分の胸の裏に隠してしまうんです。僕が小さい頃、外に遊びに行ってなかなか帰らないときに、母親がそのおばけにさらわれるぞと脅かしてきたものです」とコメント。続けて「劇中の母親は、僕の母がモデルになっています。すごく厳しい母でしたが、その分とても愛してくれました。また、彼女の息子は僕の幼少期がモデルになっているんですよ」と解説した。
最後に齊藤は、監督作「blank13」が韓国で上映された際に2時間に及ぶティーチインが行われたことを紹介し「お客さんからの意見や感想によって作品が発酵し、深まっていくと思うので、Q&Aやティーチインの時間がもっと日本でも増えるとうれしいですね」と希望を込める。その後行われたフォトセッションには「フォークロア:TATAMI」に出演した
「フォークロア」シリーズは11月10日14時45分より、スターチャンネルで一挙放送が行われる。
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北村一輝、齊藤工監督作の撮影現場を振り返る「おだやかにさわやかに」 https://t.co/qiZy7bLT7v