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うだつのあがらない脚本家の夫と、彼を罵倒し続けながら家計を支える妻を描く本作。濱田が夫の豪太、水川が妻のチカを演じた。豪太のもとに“ものすごい速さでうどんを打つ女子高生”の話を脚本にしないかという話が舞い込んだことで、彼らは娘のアキを含めて香川へ旅行に行くことになる。
まずマイクを握った足立は映画化への経緯を「脚本家仲間と会うと『うちの妻がひどい』とよく話していまして、みんなからは『そのことをそのまま書けばいいよ』なんて言われていました。とはいえうちの話なんて誰が観るんだと思ってたんですが、それに乗ってくれるプロデューサーの方がいて実現したんです」と話す。続いてMCから「映画化したことで奥様から怒られたりしませんでしたか?」と聞かれると、「脚本を書くときは妻と一緒にいることが多いんです。ひどいセリフを妻がさらにひどいセリフに直してきたりということもあるので、いい共同作業ができたと思います」と公認であることを明かした。
役作りについて尋ねられた濱田は「チカちゃんから『へらへらしやがって』とよく怒られる役なんですが、パッと横を見たら監督がへらへらしていましたのでそれを見ていればよかったという感じで……」と話して、笑いを誘う。夫に罵声を浴びせる役どころの水川は「へらへらする濱田さんを見てると自然と罵声を浴びせたくなりました」と笑うも、「ただ、愛情が垣間見えるくらいの罵声の浴びせ方だったり、『このやろう』という一言にしてもいろんな言い方があるので、そこは監督が細かく『もっときつく』「もっと優しく」と現場で言ってくれました」と念密に練られた罵詈雑言であることを説明した。
足立は本作の脚本の読み合わせを自身の家で行ったと話し、「僕の本業はシナリオライターなので、クランクイン前にお二人に長い間一緒に過ごしてもらわなくても夫婦に見える脚本に仕上げていこうと。妻に相手をしてもらい、実際にほぼワンシーンずつ芝居をしながら作っていきました」と回想した。
怒られ通しだったという現場を振り返った濱田は「役だというのを理解していても、毎日毎日罵倒されるというのはつらいものがありました(笑)。でも人間ってすごいなって。だんだん慣れてきて、それが面白くなってくるんです。迫真の『死ね』に対して『今のは本当にいい死ねだな……』と思ったり」と客観的に役を楽しんだ様子。水川は「監督は演出なさってるときもだいたいへらへらしているので、お芝居中に振り返って岳くんと監督が同じ顔で並んでたときの腹立たしさと言ったらまあないなと」と述べて、濱田と足立を笑わせる。また「夫婦の在り方」についての質問が飛ぶと、「夫婦って一番身近にいる他人。そういう人と一生をともにするって奇妙で面白いことだなって思います。それぞれの夫婦の形が個性であって、素晴らしいものですよね」と笑顔で語った。
「喜劇 愛妻物語」は2020年に全国で公開。なお今作は11月5日まで開催される第32回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている。
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【イベントレポート】「喜劇 愛妻物語」水川あさみの罵声に濱田岳が現場で感心「今のは本当にいい」 https://t.co/ZVb1bs6v3t