「雪の轍」で知られるトルコの監督
本作では作家志望の青年シナンと、引退間際の教師である父イドリスの軋轢と邂逅が描かれる。トロイ遺跡近くの故郷へ戻り、処女小説を出版しようと奔走するも思い通りにいかないシナン。だが、その小説をきっかけに相いれない仲だった父親と思いがけず心の距離を縮めていく。
予告ではシナンが父親を負け犬呼ばわりするシーンや、シナンの小説の題名「野生の梨の木」にちなんで「あのいびつな梨の木は僕と父さんのようだ」と話すさまが切り取られた。また詩人・作家の池澤夏樹が寄せた「作家を目指す青年と、人生の失敗者とされる父。この古典的な構図の中を痛々しくて美しいエピソードがいくつも流れゆく。そして最後、黒い犬に導かれるように、カタルシスが訪れる」というコメントも映し出される。
「読まれなかった小説」は11月29日より東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開。本作は第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたほか、第51回トルコ映画批評家協会賞で作品賞や監督賞含む6部門で受賞を果たした。
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- 「読まれなかった小説」予告編
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「雪の轍」監督が相いれない父子の姿描く「読まれなかった小説」予告編
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