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小嶋忠良によるノンフィクション「マロンパティの精水 いのちの水の物語」を原作にした本作。日本とフィリピン両国のボランティアが協力し、9年の歳月を費やしたフィリピンのパンダン水道建設プロジェクトにまつわる実話が描かれる。辻は友人に誘われ軽い気持ちでプロジェクトに参加した女子大生・明日香、赤井英和は反日感情が強い現地でも信頼されているアジア協会アジア友の会の岩田を演じた。
「初めてのフィリピンで、さらに海外長期滞在。どうなるんだろうという気持ちとワクワクでいっぱいでした」と話したのは映画初出演にして主演を務めた辻。アミー役の少女とのエピソードを挙げて「朝撮影現場に着くと、アミーはまず私を探して『明日香!』と駆けて来てくれるんです。それが本当にかわいくて」と現場を振り返った。また「日本から折り紙を持って行って、折り鶴などをアミーにプレゼントしました。紙が膨らむのが面白かったのか、特に風船を喜んでくれましたね」と笑う。
フィリピンロケの思い出として赤井は「ランチタイム」と答え、「撮影のときはフィリピンのエキストラの方々もたくさんいました。ランチタイムの休憩時にはみんながお弁当を取りに行っていて『いっぱい並んでるから、もうええか』と思ってたら、1人がお弁当を持ってきてくれたんです」と人々との交流を回顧。さらに「2日目も同じように並んでるなと思ってたら、昨日とは違う人が持ってきてくれて! 3日目はさすがにもう並びました」と話し、笑いを誘った。
目黒は「辻さんとは『どこにでもいる大学生っていうキャラクターは逆に難しいよね』と最初に話をしました。だから“普通”という型に押し込まないでほしいと思っていたんですが、辻さんがそういうふうに演じてくれていたのがうれしかったです」と述懐する。また、赤井が放った印象的なアドリブについて目黒が言及すると、赤井が「……覚えてません」と困った顔を見せて観客を笑わせる一幕も。目黒は「何気ないがゆえに、とても印象に残っています」と優しくフォローしていた。
フィリピンでのボランティア活動で人生観が変わった明日香にちなみ、登壇者それぞれの人生の転機についても質問が。最初にマイクを握った赤井は「35年位前にボクシングの試合で大けがして、引退して」と述べ、「30歳のときに『どついたるねん』という作品で(映画の)役者デビューができました。役者として30年間おれたということで、人生においての大きな転機だったなと思います」としみじみ。
続く辻は「2014年に国民的美声女コンテストでグランプリをいただいたことです。それから女優業やモデル、声優やゲーム実況だったりとマルチにいろんな活動させていただいていて。人生ひっくり返っちゃったような体験でした」と感慨深げに答えた。「この映画に関わったことが大きな転機」と笑みをこぼしたのは、本作が長編デビュー作となった目黒。「赤井さんと一緒にお仕事ができて、こんな場所に立たせてもらえてありがたいことだなと思います」とコメントすると、会場からは拍手が送られた。
「セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~」は、9月21日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開される。
辻美優の映画作品
リンク
- 「セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~」公式サイト
- 「セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~」 (@sekamizu2019) | Twitter
- 「セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~」予告編
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矢口晶一 @tamagawajyousui
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