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戸籍がなく一度も学校に通ったことがない少年タロウと、彼の悪友である高校生エージとスギオが、1丁の拳銃を手に入れたことからドラマが展開していく本作。エージ役の菅田は映画の反響について「賛と否がフィフティフィフティぐらいと聞いて。絶好調だなあなんて思ってます」と語り、本作の構想を20代の頃から温めていたという大森は「否があっていいと頭では思うけど、なんでだよ!?とも思いつつ(笑)。でも意見が聞こえること自体がうれしいです」と素直な思いを口にした。
本作で俳優デビューを飾ったタロウ役のYOSHIは、現在16歳の高校2年生。「毎日ネットで(感想を)見てるけどね、すごいよ。賛否両論が。『こいつは生意気だ』とか『タメ語だ』とか。すみません!みたいなね」と恐縮してみせるも、菅田は「狙い通りだな。行け行け」と彼の破天荒なキャラクターを支持する。苦労したシーンを問われると、YOSHIは「泣くっていうことが一番ダサいと思っちゃってる自分がいる。タロウになったとき、ここで泣かなきゃいけないんだという決心が大変でした」と述懐。菅田の「スムーズだったよ?」というフォローに、YOSHIは「将暉が一番すごかった。目に“湖”ができてた!」と感情のこもった芝居を称賛し、泣くために奮闘したことを明かしながら「あの日はスペシャルだったね」としんみり振り返った。
劇中ではYOSHI、菅田、スギオ役の仲野による3人のシーンが多く、菅田は「この3人の時間を大事にしました。カメラの前で心の底から笑うことなんて普段ないけど、それができたのがこの映画でした」と述べる。特にエージが銃を持って2人に指示を出すシーンの撮影が楽しかったと話す菅田に、YOSHIと仲野は「こいつ笑ってるし!」「俺たちマジでつらかったよね」と反論。撮影の苦労や裏話が次々と飛び出し、不服そうにしていた仲野も「将暉のことは前から知ってましたけど、その関係性の中にYOSHIという偉大な新人が登場して。3人のグルーヴ感が奇跡的だったと思います」と撮影を楽しんだことを伝えた。
タロウの母を演じた豊田は、この日が人生初の映画の舞台挨拶だと明かして共演者を驚かせる。「YOSHIくんが生まれる前から仕事始めてたんですけど」と笑いつつ、育児放棄をする役どころについて「自分も子供がいるので精神的にキツい部分もあったんですけど、私がたまたま恵まれているだけで、いつ誰にでも起こり得ること。勝手なイメージだけで演じたくはなかった」と覚悟を明かした。またスギオが思いを寄せる洋子役の植田が「援助交際やピアノの演奏などチャレンジすることが多かった現場でしたが、スギオに引っ張ってもらいました」と感謝すると、仲野の得意げな反応に「何すかしてんだよ!」と共演者たちからツッコミが入っていた。
それぞれが問題意識を持って演じたという役者陣への演出について、大森は「現場では特に細かい説明をしなかった」と明かす。「暴力やキツいシーンもあった。普段彼らは明るいところで社会性を持って生きているけど、きっとコアなキツい部分も引き出しとして持っていて、今回それを開けることができたから映画として成り立ったんじゃないかと。俳優たちに感謝しています」と続け、頭を下げた。
「タロウのバカ」は全国で上映中。
※「タロウのバカ」はR15+指定作品
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YOSHIの映画作品
リンク
- 「タロウのバカ」公式サイト
- 映画「タロウのバカ」 (@taro_no_baka) | Twitter
- 「タロウのバカ」予告編
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「タロウのバカ」菅田将暉にYOSHI&仲野太賀が反論「俺たちマジでつらかった!」(写真20枚) - 映画ナタリー https://t.co/4b9r8Lq4e6
役者陣に対して「きっとコアなキツい部分も引き出しとして持っていて」という監督の言葉が深くて嬉しい…