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「台風家族」は、銀行強盗を起こし2000万円とともに失踪した両親を持つ、鈴木家の人間を描いた作品。事件から10年後、両親の“仮想葬儀”と財産分与のため久しぶりに集まった兄妹たちの姿がつづられる。草なぎが長男・小鉄、新井浩文が次男・京介、MEGUMIが長女・麗奈、中村が三男・千尋を演じた。
公開延期を経て、3週間限定で上映されることが決定した本作。草なぎは「本当にいろいろなことがありましたが、公開にたどり着けたのは、皆さんの応援の声が届いたからだと思います。『公開おめでとう』という言葉がこんなにグッとくるのは初めてです」とファンに感謝を語る。12年の構想を経てオリジナル脚本を手がけた市井は「言いたいことがたくさんあるんですけど……皆さんの声が後押しになって、プロデューサーにこういった(公開の)決断をしていただけた」「映画はお客さんに観てもらって初めて完成します。応援してくださった皆さんも映画作りに携わってくれている」と、時折声をつまらせながら話した。
そんな市井の熱い思いを聞いた草なぎは「監督が“台風の目”になって僕らを引っ張ってくれた。最後には『監督のためにこの役を演じよう』と思ったくらいなので、監督がこうしてうれしい顔をしているのを見ると、僕らもうれしいです」と笑顔を見せる。しかし会場の空気がしんみりしてしまったことから、草なぎは「ねえみんな、よかったよね?」「倫也くんも話してよ。だって監督と(組んだのは)初めてでしょ?」などとトークを回し始め、中村から「今日は進行してくださる感じですか?(笑)」と驚かれた。
劇中で中村に暴力をふるうシーンがあったMEGUMIは「中村くんには、ことあるごとに役で暴力をふるっていて……。いつもごめんね。3回目くらいだよね」と公の場で謝罪する。中村が笑いながら「過去2回は夫婦役で、今回は姉弟役。みんなの中に何かあるんですかね、『MEGUMIさんに中村をはたかせたい』みたいな思いが」と言うと、MEGUMIも「これからも、そういう世の中の願望に応えていきたいと思います」とジョークを飛ばす。また、司会に「そんな願望があったのですか?」と聞かれた市井は「はい! そうです」とあっさり答えて笑いを起こした。
鈴木家の父・一鉄役の藤は、現場の思い出を聞かれると「銀行強盗をやったのがうれしかったね。若い頃はずいぶん強盗(役)やったんですけど、何十年かぶりにやれたので。やっぱり元気な役のほうがうれしいからね」と回想。市井の演出について聞かれると「紙袋を覆面代わりに使うんだけど、前が見えないんですよ。それで車に駆け込んで発車させるとき、段取りの順番を間違えると(市井が)気に入らないんですよ。銀行強盗が逃げるところでそんな順番まで考えなくてもいいと思うんですけど、これがあの有名な市井監督のこだわりかな、と思ったよ」とマイペースに話した。
最後に草なぎは「1年前の撮影で、みんながそのときに持っている力を最大限出しました。唯一無二の映画なので、上映は3週間限定ですが、最後までよろしくお願いします」と観客に語りかけた。
※草なぎ剛のなぎは弓へんに前の旧字体、その下に刀が正式表記
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