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本作は、市民の投石によって記憶をなくした悪徳総理大臣・黒田啓介が“善良なおじさん”へと変わり、本気で日本を変えようとする政界コメディ。劇場前で行われたレッドカーペットイベントでは、黒田を演じた中井が演説台を用いて所信表明演説を行う。中井は共演者や三谷に向けてうやうやしく頭を下げ、台本に目を通すも「私も老眼が始まりまして……字が小さすぎて読めない!」とジョークを飛ばす。続けて「コメディというものはお客さんに笑っていただいて初めて完成するものです。我々出演者は9月13日の公開に向けまして多くの皆様の目と笑いでこの映画を完成させていただけるように努力していく所存です」と力強く語った。
続けて行われた舞台挨拶では、中井が本作の撮影を回想。「昨年の夏に猛暑の中撮影したんですが、冷房のない建物で、中では水が飲めないという過酷な環境でした。ですが、完成した作品にはその過酷さは一切映っていないと思います」と語る。記憶を失う前の黒田が周囲に罵声を浴びせるシーンがあることから、MCが「どんな思いで演じられたんでしょうか?」と問うと、中井は「あっちのほうが本来の自分なのでやりやすいです」とニヤリ。三谷が「中井さんは怖い方なので。クランクイン直前に僕のところに来て『俺は何回でも繰り返してやるから、妥協するんじゃねえぞ!』って言っていました」と乗っかると、中井は「そんな言い方はしてない!」と苦笑した。
黒田の首相秘書官・井坂役のフジオカは、初参加となった三谷組での日々を振り返り「自分にとってはぜいたくで貴重な経験をさせていただいたんだなと、今日改めて思いました」と語る。三谷はフジオカを「面白いんですよ」と称賛し「名前がもう面白い。みんなの名前が並んでるときに1人だけ『ディーン』だし」と独特な着眼点で評価し、今後の作品にも起用したいと述べた。
三谷組常連の佐藤は「これまで何作品か呼んでいただいてるんですけど、そのわりには早く終わらせたいのか長回しのシーンが多いんですよね」とぼやきつつも、「でもそういうのにうきうきしちゃうタイプなので、中井さんとのセリフ1つひとつのキャッチボールがすごく楽しかったです」と語る。三谷は「いいおっさんが2人してイチャついてるみたいで、中井さんと佐藤さんがバーで出会うシーンは2、3時間カメラを止めずに観ていたい気分でした」と熱っぽくコメント。中井は「まあ、ある意味で言えば……『おっさんずラブ』(笑)。この映画でそういう要素も楽しめるところがありますかね?」と苦笑した。
最後に三谷は「政治を扱った映画ではあるんですが、決して風刺映画でもないし、誰かを揶揄したものでもありません。風刺映画はそのときでしか成立しなくなっちゃうんです。どうせ作るなら100年、200年と皆さんに観てもらう作品にしたいと思いました。政治そのものをファンタジーにしてみたいと思ったのがこの作品でして、末永く楽しんでいただける作品になったと思います」と自信を見せた。
「記憶にございません!」は9月13日より全国ロードショー。
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