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バイト先の銭湯が深夜に「人を殺す場所」として貸し出されていることを知ってしまった和彦を主人公とした本作。ドラマ、サスペンス、コメディ、ホラー、ラブストーリーといったジャンルを横断しながら、ささいなきっかけで人生が大きく変わってしまう登場人物たちの人間模様が描かれる。
本作は和彦役とプロデューサーを兼任した皆川の呼びかけで結成されたOne Goose(ワングース)による長編映画第1弾。俳優として活動している皆川が2016年末頃に「仕事を待っているだけでなく、自分たちで発信していきたい」と思い至り、同い年の田中と磯崎を誘ったことから企画が動き出した。そして本作のパイロット版となる短編「melancholic」を制作したのち、長編化に至った。2018年の第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門では、田中が監督賞に輝いている。
満席の劇場を見渡し感慨深げな表情を見せる皆川。「長編製作は初めて、自分たちでアイデアを出し合いながら作りました。キャストの皆さんも、自分が小劇場の舞台でご一緒したことのある方がほとんど。手作りで0から作り上げてきました。こうやって皆さんに観ていただけるのが本当にうれしい」と、時折言葉を詰まらせながら語る。
映画では、現在も営業している千葉・浦安の松の湯がロケーション地として使用された。題材的に銭湯を探すのに難航すると思われたが、磯崎が近所の銭湯にお願いしたところあっさり使用許可をもらえたという。田中は「包み隠さず話したら『面白そうだから貸してあげる』と。小道具も提供していただいて、エキストラとしても映ってます。今となっては、番台にこの映画のぶっそうなポスターを3枚張ってくれてて」と裏話を披露。
和彦の同僚で殺し屋の松本を演じた磯崎は、アクションシーンの構成、演出としても関わっている。本作の軸となる「銭湯で人殺しをしたら合理的」というアイデアも磯崎発案だ。田中は「それまではまったく違うシナリオだった。本作の救世主」とコメント。松の湯に関しては「湯の温度が高めの気持ちいい銭湯です。こんな(人殺し)ことはやってません」とフォローし、笑いを誘った。田中が平日はサラリーマンとして働いているため、撮影は週末を利用した計10日間で行われたという。
この日の舞台挨拶には、キャストの
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浅井隆 ASAI Takashi @asaitakashi
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