「
本作は、ある事件をきっかけに、築き上げた幸せをすべて奪われた訪問看護士・白川市子を主人公とするサスペンスドラマ。市子を筒井、訪問先の大石家長女・基子を市川、基子の恋人の美容師・米田和道を池松が演じ、市子の婚約者・戸塚健二に吹越が扮した。
満員の観客を前に筒井は、「時間があれば皆さんと喫茶店に行って、1人ひとりに感想をお聞かせしてもらいたいぐらい」と顔をほころばせる。続く深田は「この人数が入れる喫茶店はないですね……。(会場近くにある)ジョナサンでも難しい」とこぼし、会場から笑い声が。また、監督と作品の関係を親子に例え、「親が子供のことをよく知ってるかと言えばそうではなくて。子供の友達からその子の評判を聞いて、新たな面を知るというようなことがありますよね。映画もそういうところがある」と観客たちのリアクションを楽しみにしていると述べた。
仕上がりについて「台本よりさわやかだった」と話すのは市川。「きっと監督はネアカな方なんだろうなと思いました」と理由を推測し、役については「動物っぽい、自分の欲しいものに対してまっすぐに行動できる人」だと述懐した。池松は「普通は映画って自分の意識の中で描くので、セリフはわりとしっかり物語とつながっていたりします。けど、深田さんの作品は無自覚や無意識を抽出するようなものだった」と振り返る。演技をする際は「物語の世界に加担しないこと」を意識したという。
「実は今朝5時まで飲んでた」と笑う吹越は、本作のタイトル「よこがお」について分析する。「たまたま隣り合うような、ちゃんとしたコミュニケーションを取らない人が見るのは誰かの横顔ですよね。その人を知ろうとすると全部を見なきゃいけないんだけど、横顔だとその人の抱えてるものがわからない」と解釈を述べた。さらに、「でも人っていうのはそういう部分をみんな持っています。人に言えないようなことや、言わずにいるものがありますよね」と語り、「酔っぱらってる人のコメントとは思えないな」と自身にツッコミを入れて笑いを誘った。
本作が第72回ロカルノ国際映画祭国際コンペティション部門に出品されることについて、深田は「格式のある映画祭だということ以上に、憧れていた映画祭でした」と述懐。「信頼している同世代の監督たちが行っていたので、早く行かねばと思っていました。今回やっと行けたことをうれしく思っています」と感慨深げな様子を見せた。
「よこがお」は東京・角川シネマ有楽町、テアトル新宿ほか全国で上映中。
関連記事
筒井真理子の映画作品
関連商品
リンク
- 「よこがお」公式サイト
- 「よこがお」冒頭映像
- 「よこがお」予告編
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
玉置泰紀 エリアLOVE Walker総編集長 @tamatama2
【イベントレポート】筒井真理子主演「よこがお」、市川実日子が深田晃司を分析「きっとネアカな方」 - 映画ナタリー https://t.co/HGqONKQItZ