「ファントミラージュ」撮影に密着、総監督・三池崇史「可能性は無限にある」

三池崇史が監督および総監督を務める特撮ドラマ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ！」の撮影現場に映画ナタリーが密着した。

本作は「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず！」「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ！」に続く「ガールズ×戦士」シリーズの第3弾。正義の怪盗・ファントミラージュの桜衣ココミ / ファントミハート、明日海サキ / ファントミスペード、紫月ヨツバ / ファントミクローバー、紅羽セイラ / ファントミダイヤが、悪の組織“逆逆警察”から平和を取り戻すさまが描かれる。

7月上旬、撮影は東京近郊のスタジオで行われた。この日の撮影の舞台は、ココミの父が経営するスイーツカフェ。ココミ役の菱田未渚美、サキ役の山口綺羅、ヨツバ役の原田都愛、セイラ役の石井蘭は早朝の撮影にもかかわらず、とびきりの笑顔でスタッフに挨拶する。中でも元気を振りまいていたのは山口。自分の出番がないシーンでも「見に来た！」と3人に声をかけ、熱心に撮影の様子に見入っていた。

自身の監督回ということで、三池はファントミラージュのメンバーに丹念な演技指導をしていく。カメラテスト一発目では「まず自分たちでやってみようか」と指示を出し、リハーサルを重ねていく中でセリフの言い回しなどを次々とアドバイス。ココミの決めゼリフ「私のハート、ファンファンしてる！」も自ら声を発し、セリフのテンションを菱田に伝える。一通り撮影を終えると、次回予告のナレーション収録へ。真剣な表情で声だけの演技に臨む4人に、ここでも三池が一言ずつ細かくディレクションした。

4月に番組が始まり、4人はガールズグループ・mirage2（ミラージュミラージュ）のメンバーとしても活動中で、番組のエンディング曲「じゃん☆けん☆ぽん」や9月25日リリース予定の「ドキ☆ドキ」を歌っている。

菱田は「友達が『ファントミ観てるよー！』など、ものすごく応援してくれているのでとってもうれしいです」と反響を伝えた。放送開始当初は3人組だったファントミラージュだが、6月30日放送回より4人目の戦士としてセイラが仲間入り。山口は、石井が加入してから初めての撮影を「セリフの掛け合いのシーンがあり、タイミングが合わず同時に言ってしまうことや、逆になかなかそろわないことがあったのですが、4人で息を合わせて練習していくうちに、だんだんとタイミングが合ってきて、上手にできたときには、みんなで『やったね！』と喜びました」と振り返る。

抜群のダンススキルで視聴者を魅了する彼女たちも、初めての演技には不安があったという。そんな4人に“先輩戦士”たちからアドバイスがあったようで、原田は「マジマジョピュアーズ」のミツキこと鶴屋美咲から「ときには、恥じらいやいい意味でプライドも捨てることが大事」と教えてもらったと述懐。石井も「マジマジョピュアーズ」のリンこと隅谷百花から「全力でやるといいよ！」と応援されたそう。さらに原田はオーディションの裏話として「すごく緊張したし、目の前に三池監督がいらっしゃって最初は少し怖かったのですが、私が最後に少しつまずいてしまって笑ったときに『その笑顔が見たかった』と言ってもらえました」と裏話を明かしてくれた。

シリーズを手がけてきた今、三池が感じるのは「子供ってもっと自由だな」ということ。イベントでは子供たちが思いがけないシーンに反応することもあるようで、三池は「子供たちの視点は、僕ら大人たちが失っているもの。そこにさえ気付けば、いくらでも可能性があるんです。子供に未来を感じるように、我々もまだ自由にやれる。だから貴重で楽しい体験です」と実感を口にする。

本作の撮影が開始した2018年末の同時期に、三池の新作映画「初恋」の撮影も行われた。「みんな苦しんで、何かをつかもうとして、成功したり失敗したり。どんな作品もジャンルは違えど根っこにあるテーマは変わらないし、表現していることはヤクザもファントミも変わらないんです」と話す三池。「ジャンルで括られてしまうことには怖さもあるけれど、みんなに『これはこういうものだ』と認識してもらえないと壊していけない。それを繰り返していくことが大事で、いつまでも可能性は無限にあるんだなと、あの子たちとやっているとそう感じます」と手応えを語った。

「ひみつ×戦士 ファントミラージュ！」はテレビ東京系で毎週日曜に放送中。なお7月21日放送の第16話からは、大島美幸が“逆逆警察”のサマー署長として出演する。さらに、セイラが劇中で使用する変身アイテム「ファントミディアル」が販売中だ。

ひみつ×戦士 ファントミラージュ！

テレビ東京系 毎週日曜 9:00～