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菅原が長編監督デビューを飾った本作は、
古舘は、映画を観た観客にSNSで「ヤバいくらい不器用」と評されたコウタ像を確立させるまでの苦労の日々を回想する。「夏の間、監督ともんもんとしながら『101回目のプロポーズ』を何回も観て、武田鉄矢さんの演技を見ながら考えていました」と述べ、「撮影の2日前にやった最終リハーサルになっても、監督と僕はコウタという人物に悩んで、『今日はリハーサルをやめよう』というぐらいでした。本気で頓挫しかけたことを乗り越えてお届けすることができたので、あの日々も愛おしいです」と笑った。菅原は「撮影の2カ月前に2人で飲んで、帰り道に歩きながら夢やSFの話をしていたんですが、思い返すとあのときから古舘くんはコウタのまんまで、最初からヤバいやつだった」と言い、古舘を苦笑させた。
好きなシーンを問われた石橋は、コウタが蒔田演じる被災地の少女に音楽プレーヤーを渡す場面を挙げ「コウタの本当の優しさが見えるところでした」と感想を語る。蒔田は古舘との撮影を振り返り「虫が本当に苦手だそうなんですが、ゴキブリが出たときは、『うわあ!』って言って私に飛びついてきたんです。後ろに隠れていました」と笑う。古舘は「蒔田さんを押しのけてしまいました……。蒔田さんとは10歳ぐらい歳が離れているんですが、2人で騒いでいたら音声さんに怒られました」と恥ずかしそうにしながら明かした。
光石は、本作でたびたび登場する東京・高円寺の環状七号線沿いの情景をお薦めポイントとして紹介。「環七がこんなに色っぽくセクシーで、天の川のように撮影されている映画はありません。僕が普段通るときはそっけない道なんですが、こんなにセクシーに感じるとは……」と熱っぽく語る。峯田も「環七はフラれて落ち込んだときや、彼女と喧嘩したときに新曲の歌詞を考えながら歩いていました。あのときの気持ちが映画としてきれいな映像になっているのを観ると、報われた気持ちになりますね」とうなずく。宮本に「泣けてきたの?」と優しく問いかけられた峯田は「初めて付き合った人が高円寺に住んでいたんです。そういう場所ってありますよね!」と思い出を語った。
続けて、登壇者たちは本作の内容にちなみ「好きな人と1年に1度しか会えないとしたら?」というテーマでトークを展開していく。蒔田の「すごく静かな公園でバイバイするまでしゃべっていたい」という回答には、石橋が「かわいい!」と悶え、宮本の「いっぱいおしゃべりして、眠くなってつい寝てしまって、目が覚めたときに幸せな夢だったなと思いたいです」というコメントには登壇者全員が感嘆の声を上げた。「やらしい意味じゃないですよ」と前置きした峯田が「やることは決まってますよね」と意味深につぶやくと、観客から笑い声が上がった。
「いちごの唄」は全国で公開中。
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