14歳で嫁いだ第3夫人を実話もとに描く、19世紀ベトナム舞台の映画公開

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スパイク・リー、トラン・アン・ユンがその才能を絶賛したアッシュ・メイフェアの長編監督デビュー作「The Third Wife(英題)」が、「第三夫人と髪飾り」の邦題で10月11日より東京のBunkamura ル・シネマほか全国で公開される。

「第三夫人と髪飾り」ティザービジュアル

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「第三夫人と髪飾り」

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19世紀、北ベトナムの美しい山間部を舞台に、大地主の第3夫人として14歳で嫁いできたメイを主人公にした本作。そこには世継ぎとなる男児を産んだ穏やかな第1夫人、 3人の娘を持つ魅惑的な第2夫人がいた。劇中では、男児を産んでこそ“奥様”となれることを知ったメイを取り巻く愛憎、悲しみ、そして希望が官能的に描かれる。

「第三夫人と髪飾り」

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グエン・フオン・チャー・ミーがメイを演じたほか、「青いパパイヤの香り」のトラン・ヌー・イエン・ケーマイ・トゥー・フオン(Maya)、「夏至」のグエン・ニュー・クインらがキャストに名を連ねている。舞台となるのは、ベトナムの首都ハノイから南へ約90km、ニンビン省にあるチャンアン。奇岩が連なる断崖絶壁の山々とそのふもとを流れる川や湿原が織りなす景観、鍾乳石が垂れ下がる神秘的な洞窟などが近年注目を集め、2014年に東南アジアで初めて世界複合遺産として登録された場所だ。

メイフェアが「実際に見てきた人々の人生をベースにしています。それはつらい歴史の一面でありながらも、同時に豊かさ、ユーモア、そして愛も官能もあったことが伝わることを祈っています」と語るように、物語は彼女の曾祖母の実話がもとになっている。メイフィアはメイがたどる道筋について「少女から大人の女性へ、さらには妻から母というさまざまな役割を持つアイデンティティの旅へと向かいます。本作は世界に通じる一般的な主題を持っていると信じています」とコメントした。

なお本作は2018年に第43回トロント国際映画祭NETPAC賞、第54回シカゴ国際映画祭新人監督部門のゴールド・ヒューゴ賞(最優秀作品賞)、第24回コルカタ国際映画祭の最優秀作品賞など数々の映画賞を獲得した。

※「第三夫人と髪飾り」はR15+指定作品

アッシュ・メイフェア コメント

アッシュ・メイフェア

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私は個人の自立よりも伝統、歴史、共同体を重んじるベトナム社会で育ちました。
この物語のヒロインは、少女から大人の女性へ、さらには妻から母というさまざまな役割を持つアイデンティティの旅へと向かいます。
本作は世界に通じる一般的な主題を持っていると信じています。いつの時代でも愛する人と引き離されることは悲劇です。個人の望みと属する社会の間で起こる葛藤は階級、人種、性別の差を超えて、それぞれの人生に影響を与えます。
こんなに発展した社会であっても少女も大人の女性も教育と機会不足によってまだ自分自身が本当に望む場所に立てていない人が多いことも事実です。
この映画は、私が実際に見てきた人々の人生をベースにしています。それはつらい歴史の一面でありながらも、同時に豊かさ、ユーモア、そして愛も官能もあったことが伝わることを祈っています。

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(c)copyright Mayfair Pictures.

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Naoya Sakagawa @sakagan

世界に通じる一般的な主題を持っていると信じています。いつの時代でも愛する人と引き離されることは悲劇です。個人の望みと属する社会の間で起こる葛藤は階級、人種、性別の差を超えて、それぞれの人生に影響を与えます。
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