「舞妓はレディ」の周防が手がけた本作は、サイレント映画が主流だった大正時代、小さな町の映画館に流れ着いた活動弁士志望の青年の奮闘を描く物語。成田が主人公・染谷俊太郎役で映画初主演を務め、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹野内豊、竹中直人、渡辺えり、小日向文世らが共演に名を連ねる。
出発式は、「少年よ大志を抱け」の言葉で知られるウィリアム・スミス・クラーク像の前で行われた。本作を撮った理由について、周防は「映画というものができた初期のお話なので、今を生きる多くの人が知らない、日本映画の始まりを伝えていきたいと思ったからです」と説明する。脚本の筆を執ったのは「それでもボクはやってない」で助監督を務めた片島章三。彼の脚本を読んで興味を抱いたという周防は「活動弁士による説明で映画を見せるスタイルが日本独特のものと知って驚いた。脚本自体も活劇になっていて、すごく面白い。なぜ日本人にとって活動弁士が必要だったのか、日本の語り芸の文化が背景にはあったんだなと思って、こういった映画の見方があったことを伝えたいと思いました」と、製作の発端を明かした。
周防は本編で初のデジタル撮影に挑戦している。一方、劇中で使用するためオリジナルで制作したサイレント映画に関しては「映画に対する尊敬の念を持って、あえてモノクロフィルムで撮ったものもあります。初めてサイレント映画をフィルムで撮影できたので、改めて活動写真を学ぶきっかけになりました。自分自身、映画の作り方を振り返るという意味で大きな意味を持ちました」と語った。
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