本作は、南北朝から室町期に活躍し、世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王の実話をもとにしたミュージカルアニメーション。犬王は同時代を生きた観阿弥、世阿弥の父子と同じく足利義満の愛顧を受けていたと伝えられているが、その作品は一切現存していない。キャラクター原案は、湯浅がテレビアニメ化したマンガ「ピンポン」の作者であり、「平家物語 犬王の巻」の装画を手がけた
古川は「私が書いたのは芸能についての小説だ。芸能とは歌であり演奏であり、感情、感動である。私は文字だけでその物語化を成し遂げようと試みた。今回、それらは一冊の本の内側から解き放たれる」と期待を寄せ、湯浅は「歴史にはわずかにしか書き記されていない、『犬王』という猿楽師を大胆に解釈された古川さんの物語。野木さんの脚本。松本さんのイメージ。……これは面白くなるしかないですね」とコメントしている。
「犬王」は2021年に公開予定。
古川日出男 コメント
私が書いたのは芸能についての小説だ。芸能とは歌であり演奏であり、感情、感動である。私は文字だけでその物語化を成し遂げようと試みた。今回、それらは一冊の本の内側から解き放たれる。すなわち音が、声が、色彩が。それから感情が、もちろん感動が。その監督やその脚本家やそのキャラクターの設計家や、音楽家や、その他その他によって、それらはついに放たれるのだ。
湯浅政明 コメント
歴史にはわずかにしか書き記されていない、「犬王」という猿楽師を大胆に解釈された古川さんの物語。野木さんの脚本。松本さんのイメージ。……これは面白くなるしかないですね。楽しみにしててください!
松本大洋 コメント
湯浅監督はじめ作品に関わる人間が楽しんで作ることができたら、きっとすごいアニメーションになると期待しています。僕も邪魔にならないように、少しでも力になれたら嬉しい。
野木亜紀子 コメント
古川さんが著した「平家物語 犬王の巻」を読んだときの高揚と切なさをどう脚本に落としこむのか、地の文からどう世界をすくい上げるのか、難しくもやり甲斐のある仕事でした。アニメ表現は無限であり実写の何倍も出来上がりの予想がつきません。松本さんのキャラクターと湯浅監督が織りなす「犬王」がひたすらに楽しみです。
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