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本作は、運動も勉強も不得意だが、人を愛し、人に愛される才能を持つ高校生・町田一が、周囲の人々を変えていくさまを描く作品。町田くんを細田、ヒロインの猪原さんを関水が演じた。観客とのティーチインではまず、太賀との共演シーンで、アドリブはあったのかという質問が。細田は「ボウリング場で(太賀演じる)西野くんが町田くんにハグをするんですけど、実は台本にはないんです。演じていても、西野くんの感情がぶつかってきて、内心すごく感動していました」と明かした。
演じていて印象に残ったシーンを聞かれると、細田は「池松さんとぶつかるシーン。あそこでお芝居って楽しいなと思いました。カメラが回ってないときもニヤけてしまうくらい高揚して」と回答。関水は、町田くんと猪原さんが川辺で走り回る場面を挙げ、「2人が初めてお互いの本音をぶつけ合うシーンなので、大変だったんですけど、すごく気持ちがよかったですね」と振り返った。
すでに2回、3回と試写会で鑑賞したという観客が目立ったこの日のイベント。北島は、本作に登場するプールを例に出し、場所やアイテム1つひとつに意味が隠されていると述べる。「あのプールは猪原さんの世界なんです。最初は閉鎖されていて荒れていますが、町田くんがちょっとずつ綺麗にしていく。最後にプールがどうなっているか、ぜひもう1度注目して観てください」と解説した。
続いて、監督の石井裕也とのエピソードを尋ねられると、細田は「撮影中に毎回監督とグータッチをしていたんです。そこに『よろしくお願いします』と『一生懸命やれよ』という気持ちが込められているんじゃないかと思っていて、印象的です」とコメント。「監督は神様みたいな人」と切り出した関水は「何を言うと私の心が動くのかがわかっているんです。あるシーンで、猪原さんの気持ちを考えていたときに『昔のお前と一緒だよ』と一言おっしゃって、すごく腑に落ちました。監督の言葉には重みがあって、本当に素晴らしい方なんです」と噛みしめるように語った。
安藤ゆきの同名マンガを実写化した「町田くんの世界」は、6月7日より全国でロードショー。
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