ワールドプレミアから一夜明けたこの日、タランティーノは、キャストの
映画ではハリウッド黄金時代の最後の瞬間、1969年の米ロサンゼルスが舞台に。チャールズ・マンソン率いるカルト集団マンソン・ファミリーによって、妊娠中だった女優シャロン・テイトが殺害された事件も題材になっている。タランティーノは「これだけ我々が興味を持ってしまうのは、どこまでいっても、底が知れないからだと思う」とマンソン・ファミリーについて語る。
かなりの時間を使ってリサーチを重ねたそうで、タランティーノは「あの少年少女たちを、マンソンはどのようにして自分のコントロール下に置いたのか。本当に理解を超えている」と述懐。「知れば知るほど、情報を集めれば集めるほど、何も解明されていないということがわかる。むしろ余計に不可思議になってくるんだ。わからないからこそ、本当の意味で理解するのが不可能だからこそ、僕らは引き込まれるんだと思う」とマンソン・ファミリーの特異性に言及した。
映画では、タランティーノ組初参戦となるロビーがテイトを演じている。彼女はタランティーノの「シャロンは物語の心臓」という助言に触れながら「私の目から見て彼女は一筋の光。だから私も光でありたいと思った。それが私の仕事であり物語における役割でもある。それを表現することが、多くの人がこの世界において眩しい光のような存在だったと語る、本物のシャロン・テイトへの追悼にもなると思った」とコメント。ピットは事件について「人間の闇の部分を見つめる、暗く悲しい極めて重大な出来事。純粋さが失われた瞬間だった。そしてこの映画はそれを素晴らしい形で表現している」と語った。
本作を「映画業界に対する愛と感謝を示した作品」と語るのは、落ち目のテレビ俳優リック・ダルトンを演じたディカプリオだ。リックと彼のスタントマンであるクリフ・ブースのキャラクターを「業界の異端者。60年代がやってきて、業界に置いてけぼりを食らった2人」と紹介し、役作りの一環として、「キッスで殺せ」のラルフ・ミーカー、テレビドラマ「ブロンコ」で知られるタイ・ハーディンといった俳優の作品を鑑賞したことを明かす。
またタランティーノは、「ジャッキー・ブラウン」以降彼の現場で助監督として働き続けるビル・クラークとのエピソードを紹介。「彼なしで映画を作ることは想像ができない」と言われるほど信頼されているクラークは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の脚本をもっとも初期に読んだ1人だ。彼の「今までの8本が合わさったような感じじゃないか」という感想を受け、タランティーノは「過去作をそこまで意識していたわけではないけれど、結果として今までの作品の総括のような部分が無意識に出ていたと思う」と述べた。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は8月30日より全国でロードショー。
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