「鈴木敏夫とジブリ展」が、4月20日から5月12日にかけて東京・EDOCCO 神田明神文化交流館で開催。本日4月19日にプレス内覧会が行われ、
スタジオジブリのプロデューサーとして、高畑勲や宮崎駿とともに数々の作品を生み出してきた鈴木にスポットを当てた同展覧会。過去に広島、愛知、石川で開催された「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」をバージョンアップし、鈴木による書や言葉、ジブリ作品の資料などを通して、その功績とジブリの秘密に迫る。
「鈴木敏夫とジブリ展」は、ジブリ作品の世界観や本質を「言葉」にして伝えてきた鈴木の書からスタート。「風立ちぬ」の「生きねば。」をはじめとしたキャッチコピーやタイトルの題字などで筆をふるってきた鈴木の力強い言葉の数々に触れることができる。
続いては6章構成で鈴木が少年時代に愛した作品の数々や、編集者として活躍した徳間書店時代の仕事、そしてジブリにおける活動を時系列順に紹介。「第一章 少年期~青年期 鈴木敏夫になるまで」では、壁一面の本棚に鈴木の想像力の原点となったマンガや小説、おもちゃがいっぱいに並べられた。1948年生まれ、団塊の世代である鈴木が親しんだ戦後大衆文化の一端を知ることができる。
「第二章 鈴木敏夫の愛した昭和の映画」では、「県警対組織暴力」「座頭市物語」といった映画のポスターや予告編を鈴木の紹介文とともに展示。また「第三章 徳間書店時代」には、鈴木が創刊に関わり、編集長、副編集長を歴任した雑誌アニメージュのバックナンバーが並ぶ。ジブリ設立前に高畑が監督を務めた「じゃりン子チエ 劇場版」、宮崎の長編デビュー作「ルパン三世/カリオストロの城」が表紙となった号などは、表紙の原画も横に置かれていた。
「第四章 ジブリにまつわるエトセトラ」では、1984年の「風の谷のナウシカ」から映画製作に携わり始めた鈴木の仕事を紹介。映画の題字やキャッチコピーの別案、ポスターや新聞広告のラフ、映画の企画書、CMコンテ、手書きの宣伝方針など、普段表に出ることのない貴重な資料の数々を見ることができる。「かぐや姫の物語」でボツとなった「師走に姫がっ!」「Xmasに姫がっ!」といったコピーも確認できた。
さらに「第五章 自分のためでなく他人のために」では、鈴木による書とともにジブリ作品に限らず彼が関わった作品やイベントのポスターなどを展示。そして最後の「第六章 言葉の魔法」では、「千と千尋の神隠し」に登場した油屋を支配する魔女・湯婆婆と双子の姉・銭婆による開運・恋愛おみくじを楽しむことができる。おみくじは、全長3mに及ぶ巨大な人形の口から番号が書かれた札を引き、該当の薬棚からおみくじを取り出す仕組み。そこには運勢とともに、鈴木が書き下ろした言葉と、それにまつわる解説が記されている。
トークセッションでは、湯婆婆と銭婆に声を当てた夏木が「千と千尋の神隠し」のアフレコ現場を述懐。宮崎の「ジブリは、一番上で鈴木敏夫という男が金勘定してるんだ。悪役ではなく、油屋を立て直す1人の働く女性として演じてほしい」という言葉を紹介する。鈴木は湯婆婆のモデルとも言われており、夏木は「鈴木敏夫さんの女版でやればいいんだと目の前が開けました」と振り返る。鈴木は、モデルという噂に笑みをこぼしつつ「ジブリを経営しているのは僕じゃないですか、そして油屋を経営しているのは湯婆婆。だから宮崎さんはアニメーターにも湯婆婆は鈴木だと思って描けと言ってたんです」と明かした。
「鈴木敏夫とジブリ展」では、神田明神とコラボした限定グッズを販売。すべて「千と千尋の神隠し」をモチーフとしており、御朱印帳やこけし、がま口、キーホルダー、Tシャツなど7点を購入可能だ。また授与品として湯婆婆のイラストがあしらわれた絵馬やお守りなども用意された。
鈴木敏夫とジブリ展
2019年4月20日(土)~5月12日(日) 東京都 EDOCCO 神田明神文化交流館
開館時間 10:00~18:00 ※最終入場17:30
当日券:大人 1300円 / 中高生 800円 / 小学生 600円
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