働く母親の“罪悪感”を減らしたい、「パリの家族たち」監督が作品に込めた思い

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パリの家族たち」のトークイベント付き試写会が本日4月8日に東京・憲政記念館で行われ、監督のマリー・カスティーユ・マンシオン・シャールが出席。映画議員連盟の会長を務める衆議院議員の野田聖子が主催した本日の試写会には、国会議員とその秘書たちが招かれた。

「パリの家族たち」トークイベント付き試写会の様子。マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール。

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「パリの家族たち」ポスタービジュアル

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パリで働く女性とその家族が、ままならない人生でも幸せへ向かって奮闘する姿を描いた本作。職業や年齢が異なるさまざまな女性たちの群像劇で、職務と母親業のはざまで不安に揺れる大統領、2人の子供を持つシングルマザーのジャーナリスト、教え子との恋愛を楽しむ大学教授、あるトラウマで子供を生むことを恐れる小児科医、音信不通の恋人の子供を身ごもった花屋の女性などが登場する。

マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール

マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール[拡大]

マンシオン・シャールは前作「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」で知られる監督だ。まず「パリの家族たち」におけるテーマを問われた彼女は「母と子。自分と母の普遍的な関係を描きたかった」と切り出す。そして「そこには国境や時代を越えたものがあるはず。そして子供を産むか、産まないかといった社会的なプレッシャーにさらされる女性たち、彼女たちが抱えている愛や罪悪感を、子供や親との関係を通した普遍的な視点で語りたかったんです」と作品の根底にある思いを明かす。

マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール(左)

マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール(左)[拡大]

フランスでは、夫婦ではなく1人で子供を育てる一人親の世帯は200万を超えるという。マンシオン・シャールの口からは、特にシングルマザーの場合において、父親が経済的に支援しないケースが多く、それが社会問題になっていることも語られた。さらに「幼稚園や保育園の空きを見つけるのはフランスでもとても大変。見つからない場合はベビーシッターを探さなければなりませんが、もちろんお金がかかります」と日本における待機児童問題と同じ課題を抱えた現状に触れる。

マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール

マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール[拡大]

最後にマンシオン・シャールは「働いている母親たちは、ある種の罪悪感を抱えています。私はこの映画を通して、その罪悪感は自分だけのものではない、みんな同じ気持ちを抱えていることを伝えたかった」と力強く述べる。そして「女性の中には、家事も育児も完璧にこなさないといけないと思う人が多く、彼女たちはがんばりすぎてしまう。しかし、完璧であることは難しい。映画で描かれる女性としての当たり前の姿に触れて、罪悪感を減らしてほしい」と呼びかけた。

「パリの家族たち」は5月25日より東京・シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次ロードショー。

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(c)WILLOW FILMS – UGC IMAGES – ORANGE STUDIO – FRANCE 2 CINEMA

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