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本作は、昼はうなぎ屋で下働き、夜は用心棒という浪人・坂崎磐音が悪に立ち向かうさまを描く時代劇。ピエール瀧の逮捕を受け、一部再撮影が行われることになった本作について、磐音役の松坂は「本日は本編をお届けできない中でも、こうしてお集まりいただきありがとうございます」と来場者へ感謝を述べる。また本木は「再撮影のめども立ち、なんとかアップグレードしてお届けできるよう進めております。(代役の)奥田瑛二さんに感謝するとともに、あの1件の直後、何人もの俳優さんが『自分でよければ演る』と言ってくださったことに、この場を借りて感謝したいと思います」と挨拶した。
時代劇初主演となる松坂は、これまで武士に男らしいイメージがあったと言うが「磐音は普段肩の力が抜けていて、周りに翻弄されやすいところがある。でもいざ正義を貫かないといけないときは、しっかりと“武士”になる」と今回の役を解説する。磐音に好意を抱くおこん役の木村は、松坂とは5度目の共演となることから「今まで観てきた松坂さんよりも凛としている」と主演としての彼の姿を絶賛。磐音の許嫁・小林奈緒役の芳根は、2日間だけ現場をともにしたという松坂との思い出を「『爪が大きいですね』というお話をしました」と振り返る。それを受け松坂は「ひいおばあちゃんの遺伝で(笑)」と照れ笑いを浮かべた。
奈緒の兄・琴平役の柄本は、2011年公開の「僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.」以来の共演となった松坂との関係を「8年ほど前にカンボジアで1カ月半一緒に撮影するという濃密な時間を過ごしたので、どこか仲間だなと思っていた。久しぶりに会って、そんな思いが作用していた」と語る。磐音と琴平の幼なじみ・河出慎之輔役の杉野は「幼なじみ役ということで不安に思ったのですが、柄本(佑)さんと殺陣の稽古をさせてもらったときに、包み込んでくれる方なんだなと思いました。松坂さんは事務所の先輩で、優しさは知っていたので」と後半は足早に説明し、松坂から「割愛します、みたいな言い方だな(笑)」とツッコまれた。
舞台挨拶の中盤には、原作者の佐伯泰英がサプライズ登壇。佐伯は、本作の再撮影に触れながら「出演者・スタッフの熱意と努力で映画はほぼ完成してきた。松坂桃李くんも主人公に新たな解釈を与えてくれた」「今回、製作委員会の勇気ある差し替え・再撮影の決断と、スタッフの再挑戦を全面的に支持します」とスピーチして、拍手を起こした。
また終盤には、本作の上映劇場にて、佐伯が書き下ろした短編小説の冊子が入場者特典として配布されることが発表された。驚きを隠せない松坂に対し、佐伯は「君の演技を見ていたときに、ふっと頭に浮かんだの。僕は半世紀くらい前にスペインで闘牛士ばかり取材していた。そのときの体験をなんとなく君に重ね合わせちゃった。闘牛士・桃李。この小説を君に捧げます」と説明。松坂が「え!? 闘牛士なんですか!?」と理解できずにいると、佐伯はさらに「映画もそうじゃないですか、現と夢の話。まあ、読んで!」と笑顔で返した。
最後に松坂は、再び観客に対し「映画はたくさんの人の応援や支えによって成り立っているんだなと、改めて実感しております」と感謝を示し、イベントを締めくくった。
「居眠り磐音」は、当初の予定通り5月17日より全国ロードショー。
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