宮城・石巻で再出発しようとする男・郁男を主人公に、平穏に見えた彼の暮らしが、小さなほころびからやがて取り返しのつかない事態に陥るさまを描いた本作。香取が郁男、
白石作品への参加が本作で通算8本目となる音尾は「尊敬する白石和彌監督と、僕のスーパースター香取慎吾さんの新たなタッグが実現したことに感謝しています。香取さんは石巻で撮る白石監督の世界に完全に溶け合っていた。凪の海が荒れていくように、心がざわざわと興奮しています。派手ではありませんが、1カットごとに丁寧に精魂込めて、スタッフ・キャストが作り上げた映画を楽しんでいただければ幸いです。誰かの生きる希望になれますように」と語っている。西田、吉澤、リリーのコメントも下記に掲載した。
「凪待ち」は東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
西田尚美 コメント
私は白石監督の「凶悪」がとても好きだったので今回ご一緒出来たことが本当に嬉しかったです。香取さんとご一緒出来たことも。香取さんは、なんというか……そこにいるだけで何か凄いんですよね。エネルギーとかパワーみたいなものをたくさん頂いた気がします。「凪待ち」に出てくる人たちは、なんとも人間くさい。どうしようもないのだけど、ほっとけない。なんだか憎めない。本当にどうしようもないのに、何故だか愛おしく、手を差し伸べたくなりました。私もどうしようもないダメ人間です。
吉澤健 コメント
稀有。この私の役の事です。表現する者として、その人生の質量が問われる様な役でした。私は役者である事を三度辞めて、三度復活した者ですが、この様な役に出会えるとは思ってもみませんでした。続ける事が大事なんだとよく云いますが、あれって本当なんですね。お蔭様で時分の花、咲かす事が出来ました。70才を過ぎて滲みでるもの、出たと自負しております。監督、脚本はじめ、スタッフの皆様、本当に有難う御座いました。
リリー・フランキー コメント
僕はゆっくりしていたスケジュールで石巻を満喫させていただき町の人にも良くしていただいて、白石さんの撮影、相変わらず好きでした。慎吾ちゃんと共演できてよかった。すごく彼が色っぽかった。やりやすかったです。小野寺という役は面白い役でした。難しかった点はいい人に見えなきゃいけない。いい人に見えすぎてもいけないというところでした。慎吾ちゃんの体から出てきてる熱量、雰囲気がすごい! 監督と飲みながら話してすごくいい映画になりそうだ、というお話をしていました。今の慎吾ちゃんじゃなきゃできない、白石さんの中で傑作ができた。台本読んだ時の静かなオフビートなもの、人間の中の思いというようなものうごめいている。純文学的なものもぜひ皆さんご覧ください。
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