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1945年の“戦後”から、東京オリンピックが中止となった2020年にタイムスリップしてきたギャンブラー・坊や哲を主人公とした本作。出演者のピエール瀧がコカインを使用したとして3月12日に麻薬および向精神薬取締法違反の容疑で逮捕され、劇場公開に関して協議が重ねられていたが、ノーカットで予定通り4月5日に公開される運びとなった。
本イベントは新宿バルト9の劇場ロビーで実施され、大勢の観客がステージをぐるりと取り囲む形に。熱気あふれる観客を前に、坊や哲を演じた斎藤は「今朝の発表まで不安があったけどホッとしました」と吐露。「(『麻雀放浪記2020』は)ピータンを初めて食べたときのような感じ……何を観たのかもう一度確かめたい。僕もこの映画の公開日を誰よりも待ちわびている1人です」と続け、事前試写を一切行わないというヴェールに包まれた本作の衝撃を独特な例えで表した。
また斎藤は「(瀧の逮捕に関する)第1報を聞いたときは状況が咀嚼できなくて、どうなるんだろうと。いろんなドラマや映画でピエールさんはとても重要なピースの1つだったので」と回想。「現場で汗水流しているスタッフやキャストは、作品を人に届けることをゴールに突っ走っているので。ひとまず今朝の会見で東映と白石さんが英断してくださったとホッとしております」と改めて正直な思いを述べ、本作への応援を呼びかける。
白石は今朝の会見に東映の代表取締役社長・多田憲之とともに出席した。観客から大きな拍手を受けながら「こうして立っている今も決断が正しかったのかどうかわからない状態です」と明かし、「こういうことになってしまいましたが、お客様に楽しんでもらいたいという一念で作った映画です」と作品に込めた思いを強調する。幾度もタッグを組むうちに「瀧さんが大好きになった」という白石。「それでも瀧さんがやったことを許すわけにはいきません。ただ、作品に罪はない。それが正しいのかどうかわからないですけど、いつか間違っていなかったと言ってもらえるように」と続け、「僕はこれまで禁止薬物を使用するシーンを多く描写してきました。これからは作品とはまた別に、(薬物乱用防止の)啓発運動にも個人的に取り組んでいきたいです」と真摯に語った。
映画の公開が正式に決まり、共演者たちも安堵した様子。ももは「瀧さんとの共演シーンはなかったけど、同じ映画に出られることはうれしかったのでとても残念でした。でも映画が公開されるんだと知ってホッとしました」と胸中を明かす。ベッキーは「どうなってしまうんだろうと。覚悟していましたが、予定通り公開されると知って安心しました」、竹中は「大好きな俳優だったので(報道を)知ったときは胸をえぐられるような思いでした。監督のご挨拶を聞いて抱きしめたい衝動に駆られました」とそれぞれ語った。
斎藤は原案小説「麻雀放浪記」の作者・阿佐田哲也の妻である阿佐田孝子氏に会い、「作品の世界を知らない世代の方に伝えてほしい」という思いを受けて本作に臨んだという。iPhoneで撮影するといった試みも取り入れられており、「映画のカメラだと何を撮っても昭和っぽくなっちゃうのが昔から悩みで。今回はけっこうポップになったと思ってます」と苦笑する白石に、斎藤は「回転ずしの皿の目線という世界初のアングルが撮れたのは画期的ですね!」と笑みを向けた。
「麻雀放浪記2020」は4月5日より全国ロードショー。
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