コカインを使用したとして、3月12日に麻薬および向精神薬取締法違反の容疑で逮捕された瀧。「麻雀放浪記2020」の公開については、監督・
1945年の“戦後”から、東京オリンピックが中止となった2020年にタイムスリップしてきたギャンブラー・坊や哲を主人公とする本作。瀧は、元五輪組織委員会の会長で、オリンピックの中止を経て豹変する杜(もり)役で出演している。なお劇中には、戦後のシーンにて、ほかのキャラクターが当時合法であったヒロポンを使用する場面があるという。
瀧が犯した罪について「事実であれば決して許されることではない」と断言した多田。公開中止、延期、再編集したうえでの公開など、多くの可能性を踏まえ製作委員会が協議を重ねた結果、「罪を犯した出演者1人のために、作品を待ちわびているお客様に対してすでに完成している作品を公開しないという選択肢は取らない」という判断に至ったことを説明する。「劇場での鑑賞は有料。鑑賞の意思を持ったお客様が来場するクローズドなメディアなので、テレビ放映やCMとは性格が違う」という理由から劇場公開に踏み切った東映だが、ポスターおよび上映前のテロップで瀧が出演していることを明示するという。製作委員会内で意見が割れたが、最終的に東映の判断を各社が理解したそうで、現在51スクリーンでの上映を予定。現状、劇場からの上映拒否などは生じていない。
「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」「サニー/32」「孤狼の血」に続き、瀧とは5度目のタッグとなった白石。逮捕の知らせを受けた際の心境を「一緒に映画を作ってきた仲間が間違いを犯したことに驚いた」「容疑者に対して抑えきれない憤りを感じました」と明かす。東映から公開に関する意見を聞かれたときは「再編集はしない形、僕が一番ベストだと思っていた形で公開したいのが正直な気持ちです」と答えたそう。「映画に関わった者は皆、禁止薬物には当然反対の立場。ただ、個人が犯した罪であって、作品そのものには罪がないんじゃないか」と意見を述べる。
また白石は、瀧に対する個人的な感情を「彼が持っているキャラクターや男っぷりのよさに“男惚れ”していました。20代の頃から薬物を常用していたとニュースで読みましたが、少なくとも一緒に仕事をしているときは、そういう兆候には気付かなかった。『凶悪』も『日本で一番悪い奴ら』も劇中で薬物を描いている中、こういうことが起きたのは残念。今はバカ野郎、としか言いようがない。反省して、まずは(薬を絶つための)治療をしてほしい」と吐露。共演陣のリアクションを聞かれた白石は「斎藤工さんとは『(映画が)どうなるんだろう』というメールのやり取りをしました。リリー(・フランキー)さんとは『あいつ何やってんだ』と話しました。みんな一様にびっくりしています」と話した。
近年、出演者の逮捕による映画の公開中止が続いていることについて、多田は「個人的には、ちょっと行きすぎだなという印象は持っていました。みんなが総力を上げて作ったものをボツにしていいのかという意味で、甚だ疑問を持っていました。ですが私も当事者になって悩みました」と話す。白石は「作り手としての基本的な姿勢は、“作品に罪はない”」と繰り返し「罪は罪であって、重い・軽いはない。その中で映画のテーマや、罪の性質、犯した役者のポジションなどに応じた対応があると思う。議論の余地なく、社会の流れで“公開中止”が決まっているかのように、作品にふたをしてしまうのはよくないんじゃないかと思います。上映できないというのは、あくまで特例であってほしい」と訴えかけた。
「少々、株価が落ちるかなということは覚悟しています」という多田。プロデューサーの紀伊宗之によると、製作委員会から離脱する会社が出る可能性を踏まえ、瀧サイドに損害賠償を請求するための話し合いを始めているそう。またすでに販売しているムビチケは、払い戻し可能だという。
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- 映画「麻雀放浪記2020」 (@mahjongg2020) | Twitter
- 「麻雀放浪記2020」特報
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阿曽山大噴火 @asozan_daifunka
薬物事件は被害者がいないって言うけど、違法なクスリが存在してる社会の中で薬物を使った本人こそが被害者なんですよね。回収中止延期終了等々経済的に追い込んでから病気の治療しろって言うのもどうなのよと。更生復帰を遅らせてるだけでは…。
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