「希望の灯り」に沖田修一らがコメント「深夜の雰囲気がまるごと映画になったよう」

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旧東ドイツ・ライプツィヒ近郊のスーパーマーケットを舞台にした映画「希望の灯り」の特別映像がYouTubeにて公開。ミュージシャンやクリエイターら8名のコメントも到着した。

「希望の灯り」

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「希望の灯り」メインビジュアル

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クレメンス・マイヤーの短編小説「通路にて」を原作とした本作。社会の片隅で助け合う人々の孤独や淡い恋が静かに、そしてユーモラスに描かれている。巨大スーパーの在庫管理係として働く青年クリスティアンを演じるのは、フランツ・ロゴフスキ。彼が恋に落ちるミステリアスな女性マリオンに扮するザンドラ・ヒュラーは、「ありがとう、トニ・エルドマン」でドイツ映画賞など数多くの主演女優賞に輝いている。クリスティアンの上司ブルーノ役は「グッバイ、レーニン!」にも出演したペーター・カース。監督したのは、今作の舞台でもあるライプツィヒ出身のトーマス・ステューバーだ。

「希望の灯り」

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特別映像ではサン・ラックスの「Easy」とティンバー・ティンバーの「Trouble Comes Knocking」が流れる中、倉庫でフォークリフトを動かすクリスティアンの姿や上司たちがボードゲームに興じるさまが映し出されている。作品にコメントを寄せた加藤登紀子は「無味乾燥なスーパー、無骨な男たち。なのに短い会話の一瞬から深い愛が伝わり、突然の音楽に途方も無い内面が炙り出される」、沖田修一は「ひっそりと、静かな映画でした。深夜の雰囲気がそのまままるごと映画になったようでした」と語った。演劇作家の岡田利規チェルフィッチュ)は「フランツ・ロゴフスキの、純朴さと怖さ、優しさと狂気が同居する、この唯一無二の魅力!」と称賛している。

「希望の灯り」は本日3月8日から15日にかけて東京・ユーロスペースで開催される「ドイツ映画祭『HORIZONTE 2019』」にて、3月10日と3月12日に上映。各回上映後にはステューバーとロゴフスキによるQ&Aがあるので、詳細は公式サイトで確認を。また、4月5日より東京のBunkamura ル・シネマほか全国で公開される。

谷川俊太郎 コメント

私がここで生きているように、この人たちもそこで生きている。
その肌ざわりを感じます。

加藤登紀子 コメント

無味乾燥なスーパー、無骨な男たち。
なのに短い会話の一瞬から深い愛が伝わり、
突然の音楽に途方も無い内面が炙り出される。
ジョージ・オーウェルの「1984」と同じ、
現代への恐怖が重低音のように聞こえた。

きたろう コメント

ワンカット、ワンカットが一枚の素晴らしい絵画だ。
私の好きなエドワード・ホッパーの絵を見ているようだった。
孤独の中で生きている人間同士の、さりげない一言一言が、心に響く。
こういう映画に参加したい。

綾戸智恵 コメント

外から見れば、再統一。けど人々は大変や、文字どうり大きな変化。
正味の統一とは、ささやかな会話から。
AIくんよ、これ見て学習しーや。これが希望への日常や。
クリスティアンが袖を引っ張るシーン好きやわ。
頑張りや!

沖田修一 コメント

ひっそりと、静かな映画でした。
深夜の雰囲気がそのまままるごと映画になったようでした。

岡田利規 コメント

フランツ・ロゴフスキの、
純朴さと怖さ、優しさと狂気が同居する、
この唯一無二の魅力!

牛尾憲輔(agraph)コメント

まるで舞踊曲のような映画です。
あの愛すべきモールはダンスホール。
微かな喜びの山と、見えない悲しみの谷の拍子で踊る人々が微笑ましく美しい。

野村卓史(グッドラックヘイワ)コメント

日常とは主に退屈な繰り返しで、そこにあるはずの大切なものや美しいものの存在に気づかず素通りしてしまうことが多いと思う。
本作で語られる舞台も日常だが、人々の会話や立ち振る舞い、整然と陳列されたスーパーマーケット、そこに流れるBGM、フォークリフトが床を擦る音までとても美しい。だがただ美しいだけではなく、時に違和感のある音が彩り、ある種の不思議な感覚を呼び起こす。
そして劇中に点在するいくつかの嘘が、登場人物の実際には語られない背景にいくばくかの影を落とす。
ラストに流れるTimber Timbre「Moment」が象徴するように、無情だが優しく無骨な、美しい世界。
その影や違和感について想像し、この世界に生きる人々の物語に触れることは、実際の私たちの日常の中に取りこぼしているものの存在に気付くきっかけになるかもしれない。

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(c)2018 Sommerhaus Filmproduktion GmbH

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さくら @emiglh

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