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第91回アカデミー賞で作品賞、脚本賞、助演男優賞を獲得した本作。実話をもとに、人種差別が根強く残るアメリカ南部へコンサートツアーに出かけた黒人ピアニストのドン・シャーリーと用心棒兼運転手の白人トニー・“リップ”・バレロンガが、少しずつ距離を縮めていく姿が描かれる。ヴィゴ・モーテンセンがトニーを、マハーシャラ・アリがドンを演じた。
オスカーを受賞したことに対し、少し実感が湧いてきたというファレリーは、本作が多くの観客に受け入れられていることを「この作品の強みは希望を感じさせてくれるところではないかと自負しているよ。真逆な2人が、ただ話をし、お互いを知ることで共通点を見いだすことができた」と説明する。作風に優しい視点が加わったことに理由があるか記者が尋ねると、「1人の人間として成長し続けたいと考えているのでとてもうれしい」と笑顔を見せ、「こういうタイプの作品をいつかは作りたいと思っていた。柔らかさや優しさにあふれていながら、恐ろしい人種差別の問題が盛り込まれていて、今日我々の世界にも共通する、響くものがある重要な物語と感じたから映画化したいと思った。物語に惚れ込んで作ったし、これからも心に従いながら作品を作っていきたい」と思いを語った。
次に、今年のアカデミー賞についてファレリーは「窓がより広く開いたのを感じる素晴らしい年だったと思う。アフリカ系アメリカ人による作品やアジア系の作品が増えていくことは、ポジティブな一歩」と述べる。
ここで、「グリーンブック」に感動したというゲストの伊藤が登場。観るだけでなく、演じるうえでもコメディが好きという伊藤が、コメディを作るうえで気を付けていることについて質問すると、ファレリーは「ジョークから考えることは一切ない。まずは、観客に好ましく思ってもらえるキャラクターを造形することが大切。そうすれば、『メリーに首ったけ』のジェルのシーンのようなジョークも受け入れてくれる」と自身の作品を例に挙げ、回答した。
伊藤の印象を聞かれたファレリーが、「ムービースターらしさを感じます。いつか一緒にお仕事をしてください」とほほえむと、伊藤は「そうですか……そんなこと言われないのでうれしいですね」と動揺しつつ、「ハリウッドにも機会があれば行きたいし、いつかあのときの言葉は忘れてませんと言います!」と笑顔を見せた。
最後に、伊藤は「シンプルに観ていい映画だなと思える作品なので、ぜひ観に行ってください」とアピール。ファレリーは「世界的にも厳しい時代になっているが、いつだって希望はあると僕は信じています。お互いに話すことによって希望は乗り越えられると思っている。話さなければ何も始まらない、それがこの作品のメッセージです」と真摯に語った。
「グリーンブック」は全国で公開中。
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