フジテレビ開局60周年ドラマ「砂の器」に、
松本清張の同名小説を、現代を舞台に新たな解釈でドラマ化した本作。2018年ハロウィン当日の渋谷で発見された撲殺死体にまつわる事件を捜査する刑事・今西栄太郎が、天才作曲家の和賀英良と心理戦を繰り広げていく。今西役を東山紀之、和賀役を
本作で土屋が演じるのは、大物大臣の令嬢と婚約している和賀の“愛人”成瀬梨絵子。バーテンダーとして働く女性で、殺人を犯した和賀に頼られ、彼を助けるという役どころだ。土屋は「『愛人』という言葉の響きとは逆の、愚かなくらい純粋な部分をどう表現するかが、鍵なのかなと感じてます」と自身が演じるキャラクターに言及し、「一瞬一瞬を丁寧に積み重ねて、その結果、観てくださる方々の心に何かを残せたらと願っています」とコメントした。
フジテレビ開局60周年ドラマ 砂の器
フジテレビ 2019年3月28日(木)19:57~21:54
土屋太鳳 コメント
オファーを受けた感想
「砂の器」という、あまりにも大きな存在の作品名が聞こえた瞬間、まず驚きました。家の本棚に祖父の代からある文庫本をあらためて読み、松本清張先生の世界に改めて衝撃を受け、その直後に台本を読ませていただいたのですが、現代ならではの思い切ったアレンジが試されていることに、さらに驚きました。とても難しい挑戦になると思いましたが、その危惧とは裏腹に台本を読む手は止まらず、梨絵子という役にも意外なほど違和感を感じなかったんです。空から降ってきた雪を見つけた時みたいに、まるで梨絵子という役が空から舞い降りてきたようで、責任やプレッシャーも強く感じますが、それよりも、梨絵子を早く温めたい気持ちになりました。
自身が演じるキャラクターについて
成瀬梨絵子という役は、同じ名前や近い設定を持つ人物は原作や過去の映像作品にも登場するのですが、今回は「ある要素」が強調されていることもあって、今回ならではの解釈が必要なのかなと感じています。まずは梨絵子の過去に寄り添うところから取り組んでいこうと思っています。
梨絵子役にどう取り組むか
以前ある作品で親子二役を演じた時に、道ならぬ恋で娘を授かった場面を母親の立場で演じたことはあります。でも恋愛の過程を演じるのは初めてですし、どういう立場で人を愛するかということは自由だからこそ難しくて、人物設定だけを伺った時は、確かに想像しにくい役どころでした。でも梨絵子は途中まで、自分が和賀さんにとってどんな存在なのか、あまり意識していないような気がします。それよりも、切なさや哀しさや寂しさも含めて、目の前の和賀さんとの時間を真っすぐに選び続けている気がしていて、「愛人」という言葉の響きとは逆の、愚かなくらい純粋な部分をどう表現するかが、鍵なのかなと感じてます。そしてその鍵を元に、そこからの変化を探っていこうと思います。
衣装について
人の内面が形になったものが衣装だと思うのですが、特に梨絵子は過去から抱えているものがとても多くて、女性であることを意識しながらも、女性であることをシャットアウトしてるような部分もあるような気がして、そういった気持ちで服を選ぶとしたらどんな服になるだろうと考えながら、監督とお話をさせていただきました。今までの作品とは違うテイストの衣装が多いのですが、梨絵子の心の一部として身につけようと思います。
中島健人との共演や、気合いを入れたいシーンについて
中島健人さんは同世代の役者さんの中でも、稀有な存在の方だと思います。エンターテイナーとして数えきれない人たちの心を掴みながら、役者さんとしても青春をテーマにした作品を牽引してこられて、しかも、バラエティでもキャリアを積んでいらっしゃいます。でも、キラキラしたものを背負い続けるには、大きな覚悟や重いリスクも同時に背負ってこられたと思いますし、観る人たちを裏切らない努力や求められるものに応える工夫など、本当にあらゆることに取り組んでいらっしゃるので、そのキャリアが結集して、まさに今、和賀英良という魂となって溢れ出ているのだと思います。その姿を目の前で拝見できることは本当に光栄ですし、女優として全力でぶつかりたいです。どのシーンをというのは特になく、一瞬一瞬を丁寧に積み重ねて、その結果、観てくださる方々の心に何かを残せたらと願っています。
視聴者へのメッセージ
人が人を裁くこと、赦すこと、愛することを見つめる作品になることと思いますし、現代という時代への問題提起も含まれていて、嵐の中に入っていくような畏れも感じておりますが、錚々たるキャストの方々が紡いでいらっしゃる現場の空気、そしてその現場を守るスタッフさんがたのアドバイスに、まずは全力で食いついていこうと思っております。ぜひ見守りつつ、オンエアを待っていてください。よろしくお願いいたします。
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