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日露戦争中の愛媛・松山ロシア兵捕虜収容所を舞台に、日本人看護師のゆいとロシア兵将校であるソローキンの恋を描いた本作。阿部は、2018年を生きるテレビディレクター・桜子とゆいの1人2役を演じた。「セリフが英語だったので必死で練習しました」とゆいのパートでの苦労を語った阿部。桜子のパートではロシア・サンクトペテルブルクを訪れたことを明かすと、「ロシアの街の中、少人数体制でゲリラ的に撮影をしました。スタッフさん全員が流動的に動いてくださったおかげで、ものすごくきれいなシーンに仕上がっています」と述べる。
イッセーは、ロシア人キャストのアレクサンドル・ドモガロフの印象を「怖かった、貫禄100%。僕の小物感がすごかった」と話して笑いを誘うと、「ドモガロフさんは台本を深く理解していらっしゃいました。一緒に演じていると、ロシアにある劇場の舞台に立っているような感覚を覚えました。彼が主役で、僕が脇役でね(笑)」と回想。また、阿部は「監督が、日本人とロシア人のどちらの価値観も尊重して作っていこうとおっしゃっていたのが印象的でした。毎シーン丁寧にすり合わせをして撮影に臨むことができたので、シーンに深みが出たと思っています」と井上雅貴の演出を語った。
井上雅貴は、日本とロシアの関係について「ロシアには親日家の方が多いというのをあまり日本人は知らない。この映画を機にロシア人の考え方などに触れて、お互いの国を行き来する交流につながればいいなと思います」とコメント。彼の妻でもある井上イリーナは、ロシア人キャストの通訳を撮影現場で担当したという。「待っている間も現場を離れないように伝えたのですが、松山には美しい風景や古い建物がいっぱいありますから、皆さん見たくて見たくて。あるとき休憩時間に、キャストがロシア兵の軍服を着たまま散歩に行ってしまい、田んぼにはまってひざまで汚してしまったんです。『芝生かと思った』と話していました(笑)」とエピソードを披露すると、会場は笑いに包まれた。
イベントでは、キャストである斎藤工からのビデオメッセージが流れる場面や、駐日ロシア大使のミハイル・ガルージンが登壇し本作の公開を祝う場面も。最後に阿部は「皆さんは桜と聞いたらどのようなものを思い浮かべますか? 私は大切な誰かと会えるような、ワクワクした気持ちになります。この映画は、日本人の感性とロシア人のセンスがコラボレーションした作品です。本作を通して、優しさが優しさを生むような、そんな素敵なサイクルが生まれたらうれしいです」と観客に語りかけ、イベントの幕を引いた。
「ソローキンの見た桜」は3月16日に愛媛で先行ロードショー。その後、3月22日より東京・角川シネマ有楽町ほか全国で公開される。
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