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米オレゴン州ポートランド出身の風刺マンガ家ジョン・キャラハンの半生を映画化した本作。ホアキン・フェニックスがキャラハンを演じ、ルーニー・マーラ、ジョナ・ヒル、ジャック・ブラックらが出演した。野村はまず、ヴァン・サントが数年前に長年住んでいたポートランドからロサンゼルスに引っ越したことに触れ「昔はガスといえばポートランドだったのに、こないだ家に行ったらあっさり(ポートランドは)捨てたって言ってたよね?」と拠点を移した理由を問う。それにヴァン・サントは「ポートランドに俳優を呼ぶのが大変なんだ。ロスだったらいい俳優やロケーションがその場で手に入るから、効率がいいなと思って」と答えた。
ヴァン・サントが映画制作を開始した頃に、風刺マンガを描き始めたというキャラハン。ポートランドではどんな存在だったのか問われると、ヴァン・サントは「1980年代くらいからお互いに活動し始めて、彼はローカルな人物として有名だった。彼のマンガは面白いんだけど、自分の障害をネタにしたりして毒のあるものだったから、苦情の手紙も届いていたんだ。でも彼はそれを喜んでいた」と語る。
1998年公開作「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のあとに、同作のキャストであるロビン・ウィリアムズがキャラハンの自伝を映画化する権利を買ったと明かしたヴァン・サントは、「ロビンが彼のファンだったんだ。監督をしないかと僕に話が来たときは、ロビンがキャラハンを演じるならうまくいくんじゃないかと思った」と述懐。しかし、脚本は2本書かれたものの映画化には至らなかったと話すと、「(映画化の)音沙汰がないので、キャラハンから『一体どうしたんだ? この映画ができる頃には俺たち死んじまうよ』って言われた。そしたら本当に、ジョンとロビンが亡くなってしまったんだ」と回想する。その後、本作の話が来たと経緯を説明したヴァン・サントは「僕は断酒会でキャラハンが経験するプロセスに興味があったので、その部分を増やしてドラフトを書き上げた。それをホアキンに見せたんだ」と述べた。
続く観客とのQ&Aでは、「パラノイドパーク」のような少年に向けた作品を作る予定はあるかという質問が。ヴァン・サントは「どうかな?」と明言を避けつつ、「今書いている脚本が、パリのファッションウイークを舞台にした少年と父親の話なんだ。『パラノイドパーク』がファッションウイークに行くような話かもね」と構想を明かした。イベントの終盤で「日本の皆さんには少しなじみのないテーマかも」とヴァン・サントが不安げにすると、本編を鑑賞した観客からは大きな拍手が。「ありがとう。ぜひ友達にオススメしてください。そうしてくれないと誰も観ないから(笑)」とジョークを飛ばしつつ、ヴァン・サントは会場をあとにした。
「ドント・ウォーリー」は、5月3日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。
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- 「ドント・ウォーリー」予告編
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真夜中ケリー @MidNite_Kely
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