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シンガポールと日本の外交関係樹立50周年をきっかけに製作された本作では、群馬・高崎市でラーメン店を営む主人公・真人が、自分のルーツを探るために母の地元・シンガポールへ旅立つさまが描かれる。キュリナリーシネマとは、ベルリン国際映画祭やサンセバスチャン国際映画祭などに設置されている、食がテーマの作品を選出する部門。同部門では映画上映と食事がセットになっていることから、今回のイベントでも本作にちなんだ食事が招待者に振る舞われた。
クーは「両国とも料理が素晴らしいという共通点があります。そこから日本のラーメンとシンガポールのバクテー(肉骨茶)を組み合わせることを思い付きました」と、劇中に登場するバクテーにラーメンの麺を入れた“ラーメンテー”について説明。斎藤は、日本とシンガポールのスタッフが参加した撮影現場を「言葉で通じ合う瞬間ばかりではありませんでしたが、ともに共通の方向を向いていました。大げさではなく、家族を見つけるような現場でした」と振り返り、「映画を作るようになってから、映画と料理には通じるものがあるなと思いました。人に喜んでもらうために作ることだったり、材料を集めたり、後片付けが大変だったり」と自身の考えを述べた。
ここでラーメンテーが登壇者と客席に配膳され、実食会をするコーナーに。アウは「日本とシンガポールの大事なところが詰まっていると思います。ラーメンは日本の料理ですから、シンガポールで食べるときといい意味でちょっと違っていて、とてもおいしいです」と、シシドは「映画で観て『おいしんだろうな』って感じていたものが、見事に再現されています。本当に絶妙な味です」と舌鼓を打つ。話を振られた斎藤は「麺が伸びちゃうんであとにしてください(笑)」と冗談を飛ばしつつ、「エリックは本物志向なので、このラーメンテーを開発してから撮影をスタートしているんです。映画を通じて新しい“家族のレシピ”ができたんじゃないかと思います」と語り、「もういいですか?」と言いながら食事に戻り笑いを誘った。
食事が終わり、思い出に残る“家族のレシピ”を尋ねられると、斎藤は撮影の最終日にクーが振る舞ったというチキンスープについて言及。「(食べたときに)もう号泣してしまいまして。この物語自体が食を通して国境を越えていくという映画ですが、実際にエリックが僕たち日本人を温かく迎えてくれた。シンガポールのチームへの感謝の涙が止まらなかったです。あのスープの味は忘れられない。家族を見つけた味でした」としみじみ回想する。最後に斎藤は「エリックと出会い、映画の向かうべき場所は世界だと導いてもらいました。またこの作品は、両国の歴史についても触れられていますし、とにかくおなかが減る1本でもあります。ぜひ観終わったあとに、作品からインスパイアされた料理を味わっていただけたら」とコメントし、イベントを終えた。
「家族のレシピ」は3月9日より東京・シネマート新宿ほか全国でロードショー。
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