「淵に立つ」「海を駆ける」で知られる
本作は、善良に生きてきたごく普通の訪問看護士・市子を主人公とする物語。看護に通っている大石家で起きた事件をきっかけに、理不尽な状況に追い込まれた市子は、“リサ”としてある復讐を仕掛けていく。筒井が市子とリサを演じ、大石家の長女・基子に市川、基子の恋人の美容師・米田和道に池松が扮する。さらに市子の甥・辰男役で
「淵に立つ」以来、筒井とは2度目のタッグとなる深田は「主演は筒井真理子さんしかありえないと決めていました。ある意味、この物語は俳優筒井真理子との共作であるとも言えます」とコメントし、筒井は「『生きていく』それだけに意味を見出す主人公の人生を堪能してほしいです」と語る。また市川は「基子を思い浮かべると、お腹のあたりがずしんと重たくなります」「撮影中は監督の『OKです』の言葉を信じて、あまり頭で考えずに、とにかくお腹のずしんだけは手放さないようにと思っていました」と、池松は「人間的な営みが薄くなってゆく今、誰かの横顔に想いを馳せる、そんなきっかけになる映画になればなと思っています」と述べている。
2018年11月から12月にかけて撮影が行われた「よこがお」は、現在フランスにてポストプロダクション作業中。3月に本編が完成する予定だ。
深田晃司 コメント
「淵に立つ」完成後、自分と同年代かより年上の女性を主人公にした映画を作りたいという思いが湧き、すぐに脚本作りに取り掛かりました。主演は筒井真理子さんしかありえないと決めていました。ある意味、この物語は俳優筒井真理子との共作であるとも言えます。撮影は、素晴らしい俳優たち、スタッフたちによって自分の実力以上の成果を日々賜る充実した時間でした。いつも最新作が代表作という気持ちで臨んではいるものの、まだ仕上げの途上にある今の段階でこれほどの手応えを感じるのは初めてのことです。どうぞご期待ください。
筒井真理子 コメント
「淵に立つ」の出演は私にとって大きな体験でした。あの一作で深田監督とのコラボレーションは自分の中ではやりきった感がありました。しかし時間が経つにつれてもう一度、深田監督とさらに深い作品を作りたい気持ちが湧いてきました。そんな時にオファーをいただき、とても不思議な気持ちになりました。最初に「よこがお」の台本を読んだ時は役の重さに一瞬たじろぎました。と同時に「市子を生きてみたい」とも思いました。市子の人生に思わぬ厄災が重なり、平穏な日常が巨きな波に巻き込まれていきます。それは恐怖と緊張の連続でありながら、心揺さぶられる体験でもあります。観客の皆さんにも市子と一緒になって彼女の人生を体験してほしいと思います。旅の最後にたどり着いたとき、今まで味わったことのないような言葉に表せない快感を感じてもらえる気がします。「生きていく」それだけに意味を見出す主人公の人生を堪能してほしいです。
市川実日子 コメント
深田監督は初めてお会いした時に、ニコニコと穏やかなトーンでお話をされていて、でもお腹には、ある強い情熱を持たれている方という印象を受け、どこか安心したのを憶えています。脚本、撮影前のリハーサル、撮影中と、監督がずっと密かに大事にしているものを見せていただいているような感覚がありました。基子を思い浮かべると、お腹のあたりがずしんと重たくなります。衣装合わせから撮影中、監督の基子像はいろんな色を持っているのを感じていました。その一つ一つがいつも予想外過ぎて混乱したこともありましたが、撮影中は監督の「OKです」の言葉を信じて、あまり頭で考えずに、とにかくお腹のずしんだけは手放さないようにと思っていました。
池松壮亮 コメント
想像していなかったオファーを頂くと俳優としてはとても嬉しいもので、脚本を読むと、とても古典的でいて詩的な、けれども今現在を映す映画になるなと思いました。こういった映画は最近作られなくなったように感じるのでどう出来上がるのか気になります。個人的にはラストシーンが好きでそこだけでオファーを受けました。和道という役に関しては、好きでも嫌いでもなく、物語の中にたまたま存在する、でも血が通った肉体がそこにある、過去もあり未来もある、というようなキャラクターにしたいと思いました。人間的な営みが薄くなってゆく今、誰かの横顔に想いを馳せる、そんなきっかけになる映画になればなと思っています。
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深田晃司の最新作「よこがお」に筒井真理子が主演、市川実日子、池松壮亮も参加(コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/y8vZFjUUt0