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原案である阿佐田哲也の小説「麻雀放浪記」を大胆にアレンジした本作。東京オリンピックが中止となった2020年を舞台に、1945年の“戦後”からやって来た坊や哲が麻雀で死闘を繰り広げるさまが描かれる。全編iPhoneで撮影された「タンジェリン」に感銘を受けたプロデューサーと、以前からiPhoneでの映画制作を切望していた白石の思いから実現した今回の撮影方法。ビデオカメラアプリ「FiLMiC Pro」をメーカー協力のもとチューンナップし、新たな制作スタイルを生み出した。
坊や哲役の斎藤は「昭和をiPhoneで撮るという撮影スタイルに、良い意味の違和感がありました。僕の憧れである、昭和の戦後の衰退しながらもどこか生命エネルギーを感じるような時代を、その対比である現代のiPhoneの機動力を使って撮影していくという行為がとても面白かったです。その滑稽さみたいなものが「あぁ、『麻雀放浪記』に挑んでるんだな」という感じがしました」と述懐。
白石はiPhoneでの撮影が戦後と2020年という時代のギャップを表現するのに適していたと明かしながら「変に肩に力も入らず軽快に撮影出来ただけでなく、この狂った世界を表現するのに最高のガジェットだったと思います。結果には非常に満足しています」と語っている。最初は驚きと戸惑いを隠せなかったという馬場も「ぶっ飛んだ内容を映像化するためには斬新なアプローチ、iPhoneでの撮影もありなんじゃないかと考えるようになりました。いつも映画でみているテイストと違う、何か崩れたような感じの映像が逆にこの映画の世界観にマッチするのではないか」とコメントを寄せた。
「麻雀放浪記2020」は4月5日より全国ロードショー。
斎藤工 コメント
昭和をiPhoneで撮るという撮影スタイルに、良い意味の違和感がありました。
僕の憧れである、昭和の戦後の衰退しながらもどこか生命エネルギーを感じるような時代を、その対比である現代のiPhoneの機動力を使って撮影していくという行為がとても面白かったです。その滑稽さみたいなものが「あぁ、『麻雀放浪記』に挑んでるんだな」という感じがしました。
回転寿司のお皿の上にiPhoneが乗っている寿司アングルは、世界初じゃないかなと思います(笑)。
白石和彌 コメント
麻雀放浪記の戦後の焼け野原から舞台を2020年に移して世界観を一変させるために今回は全編iPhoneで撮影しました。変に肩に力も入らず軽快に撮影出来ただけでなく、この狂った世界を表現するのに最高のガジェットだったと思います。結果には非常に満足しています。
馬場元 コメント
映画を全編iPhoneで撮影したいと聞いた時はとても驚き、正直戸惑いました。
僕自身もiPhoneを使っていて、携帯カメラとしては優秀だとは感じていましたが、まさかそれで劇場公開の映画を撮影することになるとは思ってもいませんでした。
でも「麻雀放浪記2020」の脚本を読んでいくうちに、このぶっ飛んだ内容を映像化するためには斬新なアプローチ、iPhoneでの撮影もありなんじゃないかと考えるようになりました。いつも映画でみているテイストと違う、何か崩れたような感じの映像が逆にこの映画の世界観にマッチするのではないかと。
撮影時のカメラアングルについては、小型カメラならではの特性を生かした大胆なポジションに挑戦しています。回転寿司のレーン上にカメラを設置して移動ショットを撮影したり、お芝居をしている斎藤工さんに収録中のカメラを手渡ししてしまうなんてこともありました。
iPhoneにオプションを装着して業務用カメラ風に変身させてしまうことも出来ましたが、多少の不便があっても必要最小限にとどめ、普段iPhoneで撮影するようなシンプルな感じを失わないよう心掛けました。クランクアップ後、ドテ子役のももさんから目の前に大きなカメラが構えていないことで自然にお芝居ができたというお話を伺い、iPhoneで撮影することで役者さんへの心理的な影響もあったんだなと感じました。
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