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狩撫麻礼といましろたかしによるマンガ「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を実写化した本作は、ロボオと出会った不器用な男たちの姿を描く物語。初日を迎えた登壇陣の中でもっとも感慨深げな表情を見せる山下は「個人的なことですが、山田くん。この映画を一緒に作ってくれてありがとう」と改めて感謝を述べる。「世界の端っこを描いた原作と映画。こういう景色が見れるとは思っていなかった。これからは皆さんのもの。大切な映画です。ぜひかわいがってください」と満席の客席を見渡した。
純粋すぎるがゆえに生きづらさを抱える権藤右近を演じた山田は、初めて原作に触れたときのことを述懐。「僕が読んだときはもう絶版になっていました。もう本屋では売ってないんですね。普通はそういう作品の映画化には、あまり手を出さない。でもこうやって映画化することで、素敵な作品が多くの人に知ってもらえたことがうれしい」と語る。右近の友人・牛山役を務めた荒川は、自身が20代半ばの頃を振り返り「調子に乗っていて、山下監督と飲んだときに『ハード・コアをやるなら牛山役はぜひ』と言っていた。それが実現してこんな初日を迎えられるとは思いませんでした」と挨拶した。
登壇陣は映画のタイトルにちなみ、最近あったハードな出来事やハードだと思う人物を明かすことに。右近の弟で腐った世の中にうんざりした商社マン・左近役の佐藤は「これほどハードに生きている人はいない」と山田を見つめる。「同じ俳優という職業だからこそわかるんですが、役に入り込んだときの深度の次元が違う。本番中に本当に気を失うんです。台本に『慟哭する』と書かれているところで救急車呼ばれたりとか」と驚きのエピソードを明かす。これを受け、山田は「勝手な使命感ややりがいを感じて、そこに喜びを見いだしているんでしょうね。もう早死にする人の典型ですよ(笑)」と素直な思いを口にした。
また重要なシーンが夜の場面に集中していることもあり、撮影は連日徹夜で行われていた。山田も「基本的に眠かったし、暑かった。朝から朝まで(の撮影)が何度もあって、本当につらかった」と本音をポロリ。真夏の炎天下での撮影では、疲れ切ったロボオが椅子から転げ落ちることもあったという。佐藤が「ロボオを脱ぐと足元に水が溜まってるんですよね」と笑うと、山田は「水というか汗?」と続け、荒川は「汗というかロボオの汁ね。あれはおしっこしてたの?」と笑いを誘った。
最後に山田は、本作のメイキングに言及。「その映像もすごくセンスがよくて。DVDにはなると思うんですが、1日限定上映の機会とかも設けられるかもしれません」と明かし、「映画の現場ってこんな壮絶なんだと知れると、より一層作品に対する愛も深まるんじゃないかと思います。また別の視点から映画を楽しんで、もっと『ハード・コア』を好きになってくれたらうれしいです」と締めくくった。
「ハード・コア」は全国で公開中。
※「ハード・コア」はR15+指定作品
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