イン・リャンが変革目指して撮った新作引っさげ登壇、自主亡命した映画監督を描く

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第19回東京フィルメックスのコンペティション部門出品作「自由行」が、本日11月22日に東京・有楽町朝日ホールで上映され、監督のイン・リャンがQ&Aに登壇した。

イン・リャン

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「自由行」

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「自由行」は、中国から香港に移住して活動を続けるリャンが自身の境遇を投影した作品。創作の自由のために自主亡命せざるを得なかった映画作家の葛藤が浮き彫りにされる。

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「私には言いたいことがある」以来、4度目の東京フィルメックスへの出品となったリャン。本作について「古い友達と語り合うような目的で作ったもの。ここ6、7年の私の変化を表現しており、本作を撮ることによって私のこの数年間に決着がつくんです」と語る。

本作の主人公は、作品が原因で当局との問題を起こし中国を離れて香港で暮らす映画作家・ヤン。夫と息子を伴って台湾の映画祭に参加した彼女は、ツアーの観光客として中国から台湾にやって来る母親と数年ぶりの再会を果たした。リャンは「この旅行も事実にもとづいています。違う点は、台湾で再会したのは私の妻の親でした」と説明。制作の動機を「もうすぐ5歳になる娘が将来、なぜ自分がおばあちゃんに会いに台湾へ行ったのか考えたとき、本作から紐解いていけるようにしたいと思ったんです」と語り、さらに「中国人というのは何世代にもわたって苦難に見舞われてきました。国に対する思いを表現すると、自分の生活に影響するんじゃないかと恐れています。私はこの映画でもって、それを変革したかったのです」と続けた。

「ここ数年間は香港の居住権がなく多くの友人の助けを必要としました」と明かすリャンは、今年の9月28日に永住権を取得。奇しくも香港で起きた大規模デモ「雨傘運動」の発生から4年後の日であり「私にとって特別な意味合いがある」と吐露する。そして「居住権は私にとって大きな助けとなり、自由を得ました。でも多くの監督の作品が映画館で上映されなかったり、大陸の目が怖くて発表できないことが今も問題として存在します。私は映画で表現したいことがあれば、そして観客の皆さんがいてくれれば、これからも映画を撮り続けていきます」と誓った。

第19回東京フィルメックスは11月25日まで有楽町朝日ホール、東京・TOHOシネマズ 日比谷、有楽町スバル座で開催。

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(2018/11/22 映画ナタリー)

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