「
柴崎友香の同名小説を濱口竜介が映画化した「寝ても覚めても」では、大阪、東京、東北を舞台に瓜二つの顔を持つ亮平と麦(ばく)という2人の間で揺れ動く女性・朝子の姿が描かれる。東出が亮平と麦、唐田えりかが朝子を演じた。
盛大な拍手に迎えられた東出は、最優秀男優賞の受賞理由「静から動まで役柄を幅広く演じた」について「濱口竜介監督の独特の演出法によって、役者の芝居っぽさを排することを準備期間に行なっていました。日常と地続きの部分にリアリティがある、そういう何気ない部分を大事にされている監督です」と語る。そして、「お芝居しすぎないことがリアルなことだと立ち返りました。僕が好きな作品はそういうものが多いです」と続けた。また、亮平と麦のどちらが演じやすかったかと問われると「亮平は春代と出会う場面で、春代に気を使っているようで、実は朝子にも気を使っている、周りに気を使う人なんです。亮平は優しいなあ、と演じながら思っていました。なので麦の遠慮のなさ、周りに気を使わない感じはある意味で演じやすいかもと思います」と答えた。
イベントの後半には観客との質疑応答が行われた。思い入れのあるシーンを尋ねられると「最後のワンカット、初めて監督に『レンズを見てください』と言われたんです。どうしてレンズを見てと言ったのか、あとから監督に聞いたら『あのときの2人の顔を観客に見せたかったんです』と言われて、映画を映画的に撮られてる方だなと思いました」と述懐する。さらに、演技を通して伝えたいことは何かという質問には「これというのはないが、観てよかったと言ってもらえることが力になります。観てくれる人がいなかったら役者じゃないし、お客さんが1人でも全力で観てくれれば活力になる、観てくださる方の活力になれば」と笑顔で思いを述べた。
「寝ても覚めても」は全国ロードショー中。第28回映画祭TAMA CINEMA FORUMは25日まで、東京・パルテノン多摩にて開催中。
第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM
2018年11月17日(土)~11月25日(日)東京都 パルテノン多摩ほか
※11月19日(月)休映
※第10回TAMA映画賞の関連記事はこちらから
深川麻衣がTAMA映画賞で新進女優賞に輝き感無量、伊藤沙莉は声震わせる
吉沢亮がやりたい役は「超普通の男」、吉村界人とTAMA映画賞の新進男優賞に輝く
松岡茉優がTAMA映画賞の最優秀女優賞に、「安藤サクラさんに追いつきたい」
松坂桃李がTAMA映画賞の最優秀男優賞を獲得「30代は恩を返していけたら」
「カメ止め」一同がTAMA映画賞でゾンビポーズ!山崎努は樹木希林との思い出語る
関連商品 リンク ※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。関連記事
東出昌大の映画作品
東出昌大ファンbot @higashide_fan
東出昌大がTAMA映画賞の最優秀男優賞を受賞、「観てくださる方の活力になれば」 - 映画ナタリー https://t.co/gAKmXSO2Ul #東出昌大