柳下毅一郎が「ヘレディタリー」を絶賛「今年観た中で一番怖く、一番嫌」

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ヘレディタリー/継承」のトークイベントが11月7日に東京・ユーロライブで開催され、映画評論家の柳下毅一郎が登壇した。

左から柳下毅一郎、MCの月永理絵。

左から柳下毅一郎、MCの月永理絵。

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「ヘレディタリー/継承」ポスタービジュアル

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本作は、祖母の死をきっかけに想像を絶する惨劇に見舞われる一家の姿を描くホラー。主人公アニーを「シックス・センス」「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレットが演じ、これが長編デビュー作であるアリ・アスターが監督と脚本を担当した。

柳下毅一郎

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上映後に登壇した柳下は、本作を「今年観た映画の中で一番怖く、一番嫌なホラー映画。観ている最中、ひさびさに『もういい、これでやめてくれ!』という気持ちになりました」と絶賛。「アメリカではホラーが隆盛しているんですけど、『ヘレディタリー』は流行りの映画と一線を画している。この作品に出てくる家はやたらとでかいんですが、光の当たらない陰に何かあるんじゃないかと思わされるんです。映画の最後のほうではとてつもないことがガンガン起きるんですけど、そこに至るまでの、雰囲気で引っ張っていく見せ方がすごくうまい」と続ける。

左から柳下毅一郎、MCの月永理絵。

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柳下は、アスターが以前に撮った短編にも言及。「『The Strange Thing About the Johnsons(原題)』という作品がYouTubeに流出して『これはヤバい』と大評判になったんです。黒人一家のお父さんが息子の部屋に入ったら、息子が写真を見ながら右手を上下させている。そのあと気まずいやり取りがあるんですが、父親が出ていったあと、息子が見ていたのは実はその父親の写真だったということがわかる(笑)」と短編のストーリーの一部を説明する。そして「家庭内の不幸というテーマをアリ・アスターは撮り続けている。いろんな記事を見ると、『ヘレディタリー』にも監督自身が経験した家庭内での不幸が反映されているとほのめかされているんだけど、実際に何があったかはわからない。その“わからない”ということ自体が怖いじゃないですか」と語った。

「ヘレディタリー/継承」

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最後に柳下は「この映画はどう見てもホラーではあるけど、ジャンル内での主流かというとそうではない。最初にも言いましたが、こんなに嫌な、『ここで勘弁してくれ』と思わされる映画はないです。最近リメイク版の『サスペリア』を観てこれも大変素晴らしかったんですけど、怖さという意味では『ヘレディタリー』のほうが上だと思う」と、改めて本作の“怖さ”を強調。「ふらっと……この映画をふらっと観に行く人がいるかはわからないけど(笑)、トニ・コレットが好きで観に来た人はとてつもないトラウマを抱えることになると思いますよ。彼女がこんなことになるとは思わなかった」と述べた。

「ヘレディタリー/継承」は11月30日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。

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(c)2018 Hereditary Film Productions, LLC

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月永理絵 @eiga_sakaba

アリ・アスター監督『ヘレディタリー/継承』先行試写会にて、柳下毅一郎さんによる上映後トークイベントの司会を務めました。映画は11/30公開。 https://t.co/Kf4DMG33cr

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