「雪の華」は、発売15周年を迎えた
2月上旬にクランクインした同作は、冬と夏の2回に分けてフィンランドでの長期ロケが行われた。映画ナタリーは、3月某日の東京ロケに潜入。この日は都内で実際に営業している店舗を貸し切り、悠輔が働くカフェ“Voice”でのシーンが撮影された。悠輔役の登坂は茶髪にパーマをかけ、腰にはエプロンを巻いて現場入り。病弱な美雪役の中条はロングスカートに丸メガネという地味な衣装で登場した。なお美雪は劇中、悠輔に恋をすることで華やかな服装に身を包むようになっていく。
浜野謙太演じる先輩・岩永が営むカフェ“Voice”店内には、悠輔が作ったガラス工芸品が並べられている。そんなセットでの撮影について登坂は「悠輔らしさが出たロケーションだったと思います。僕自身もリラックスして、あえて『演じよう!』と思わずにやってみたら、監督も『その感じがいい』と言ってくださいました。悠輔にとっては家と同じくらい素を見せられる場所かなと思ったので、あまり気負いせずリラックスして演じました」と語る。また浜野との初共演を、登坂は「いっぱい笑わされました。カメラが僕にしか向いていないときにもずっとふざけていました(笑)」と回想。「悠輔がVoiceで素を見せられるのも、先輩のキャラクターあってのことだと思うので、とてもしっくりきました(笑)。雰囲気も含め、あの先輩のキャラクターがこの作品のアクセントにもなっていると思うので、感謝しています」と述べた。
本作の劇中では、美雪がかつてひったくりから助けてくれた恩人・悠輔と再会。彼の働く店が経営難に陥っていると知った美雪は「私が出します、100万円。その代わり1カ月間、私の恋人になってください」と期間限定の恋を提案する。この日撮影されたのは、カフェ“Voice”の店先で、美雪が通帳を取り出し悠輔に“契約”を持ちかけるシーン。物語が動き出すきっかけとなるこの場面について、中条は「(先にロケを行っていた冬の)フィンランドでこのシーンのリハーサルを何回もやりました。エンディングのシーンを撮って日本に帰ってからも、リハーサルやテストを何回もやりましたが、この映画で一番難しかったかもしれません。100万円を渡して付き合ってもらうなんて、すごいお話じゃないですか」と苦労を語る。
撮影直前、橋本に同シーンの演出プランを聞くと「勢いだけです! 100万円出して恋人になってもらうことが“生っぽい話”にならないよう、お二人にはがんばって突っ走ってもらわないと。特に中条さんには最初のリハーサルのときから『とにかく突っ込んで行け!』『ちょっと子供っぽいくらいでいい』と言いました。お客さんにはクスっと笑いながら観てもらえたらうれしい」と答えてくれた。現場では、カメラのセッティングの合間に、登坂、中条と橋本が座り込んで和やかに相談する一幕も。話し合いと段取りを繰り返した結果、その場で演技に変更が発生。「意味わかんねえよ。(100万円)くれんのか? そんなわけねえだろ」と言って悠輔が通帳を押し返す場面では、怖い印象を与えないよう、セリフの語調を弱めることになる。そんな演出を受け、登坂と中条は丁寧にニュアンスを変えながら対応していった。
本作のプロデューサーの渡井敏久は、普段はアーティストとして活動する登坂の起用に関して「はじめから絶対に登坂さんにお願いしようと決めていました。あまり俳優のイメージがないので、“違う国から降りてきた王子様”みたいな雰囲気が出るのではないでしょうか。今回は『ホットロード』や『HiGH&LOW』とはまったく違うイメージでやっていただけています」とコメント。また橋本は、登坂と中条の印象を「登坂さんには『HiGH&LOW』での野性的でワイルド、男前なイメージがあり、中条さんには人形的なまでの美しいイメージがありました。でも現場に入ったら、2人ともこちらの演出に一生懸命ついてきてくれる」と話す。本作での2人の芝居について「ただカッコいい・かわいいだけじゃなく、ちょっと隙が見えるところに人間味が出ていて、愛おしくなる。きっと観に来てくれる方々も『あ、登坂さんや中条さんにはこんなにかわいらしい一面があるんだ』と思って、2人にグッと近づけた気持ちになれるのでは」と見どころを語った。
「雪の華」は2019年2月1日より全国ロードショー。
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