ニュージャーマンシネマを牽引し、1982年に37歳で死去するまで40本以上の監督作を生み出したファスビンダー。「ヴェロニカ・フォスのあこがれ」で第32回ベルリン国際映画祭の金熊賞を獲得したほか、「自由の代償」「マリア・ブラウンの結婚」「あやつり糸の世界」「ベルリン・アレクサンダー広場」といった作品で知られている。
ファスビンダーが1970年代終盤に発表した「13回の新月のある年に」「第三世代」は、いずれも日本で劇場未公開だった作品。「13回の新月のある年に」では、男を愛するため女へと性転換した主人公エルヴィラの彷徨が捉えられている。現実の伴侶の死に際しファスビンダーが生み出した極私的な作品であり、ファスビンダーは監督のほか、製作、脚本、撮影、編集、美術も担った。「第三世代」は革命への理念を持たず、ただ目先のスリルだけを追い求める第3世代のテロリストたちを描いた作品。企業と警察に利用された彼らは、その煽動に乗って誘拐事件を起こす。
「13回の新月のある年に」「第三世代」は東京・ユーロスペースほか全国で順次ロードショー。ドイツ映画研究者の渋谷哲也が日本語字幕を担当した。
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