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第78回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得した「皇帝ペンギン」の続編にあたる本作。デジタル4Kカメラやドローンを導入し、南極海で暮らす皇帝ペンギンやそのほかの多様な生物の姿が捉えられた。「子育ては闘いだ」のナレーションから始まる映像には、卵が氷で冷え切らないように2羽のペンギンが代わる代わる卵を温める様子が収録されている。
皇帝ペンギンが孵化する確率はたったの8%、年によっては4、5%のこともあるという。そして孵化したヒナは、常に餓死や凍死の危険にさらされている。2017年冬、南極では1万8000羽のペンギンが生まれたが、生き残ったのはたったの2羽というデータも。前作に引き続き監督を務めた
「皇帝ペンギン ただいま」は、全国で公開中。
リュック・ジャケ コメント
温暖化で溶けた氷は「軟水」になり、一度溶けた「軟水」は「海水」よりも早く凍ります。すると、氷原の面積が増え、繁殖地であるコロニーと餌場の海との距離が遠くなってしまいます。つまり、ヒナが生まれ育ち、母親が餌を探しに海へ行き戻り、次に父親が海へ行き戻る、というエサやりの往復に、従来よりも時間がかかってしまうため、ヒナが飢えに耐えられず死んでしまう、という事態が起こるのです。この現象は、温暖化の影響で、今も刻々と進行しています。
前作「皇帝ペンギン」を撮影した12年前に比べて、温暖化の影響で、南極のアイスバーンの状態・形も変化していることと、近年南極では雪ではなく雨も降ります。大人の皇帝ペンギンは、羽毛に防水機能があり寒さから身を守れますが、ヒナの柔らかい羽毛は耐水性がないため、濡れてしまったヒナは凍死してしまうのです。ここ数年、そういう現象が起きており、皇帝ペンギンのヒナたちの約8割が死んだことがあるというデータもあります。アデリーペンギンにおいては、ヒナが全滅したこともあったようです。人間にとっては1°Cや2°Cは、大きな変化ではありませんが、ペンギンは氷のサイクルと共に生きているので、氷が溶けるか溶けないかはペンギンにとって、命に関わる問題で生態系に大きな変化をもたらすのです。
リュック・ジャケの映画作品
リンク
- 「皇帝ペンギン ただいま」公式サイト
- 「皇帝ペンギン ただいま」本編映像2
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在宅勤務×育児の自己イメージ、コウテイペンギンの親 子をまたに挟んで育てながら夫婦交互に餌(給与)をとりにいく
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